2004年にメキシコ前大統領のVicente Fox Quesada が同国の石油化学の拡大のため、野心的な "Phoenix project" を打ち出した。
国営石油会社 Pemex が外資と組んで、19億ドルを投資し、年産120万トンのエチレン、60万トンのプロピレンと各誘導品を生産するというものであった。
Pemex はパートナーとしてカナダの Nova Chemicals とメキシコの私企業2社 Idelpro と Grupo Idesa を選んだ。
しかし、この計画は実現しなかった。
Pemex は財務省の指示に基づき、天然ガス等の原料の価格を米国の市場価格ベースにするよう主張、これに対しパートナーはこれが長期契約としては全く unfair であるとし、結局話がまとまらず、2005年初めにPhoenix project は廃案となった。
2月18日、Felipe Calderón 大統領は、新しく年産100万トンのエチレンコンプレックスを建設して同国の石油化学を復活させるための入札を発表した。誘導品7億ドルを含め、17億ドルのプロジェクトである。
今回の計画には Pemex 自体は参加しない。
通常は計画の参加者を先ず決め、それから原料価格等の交渉を行なうが、今回はreverse engineering の手法を使用し、先ず、長期契約での原料のエタン、天然ガスの購入の入札を行なう。ベストオファをしたところが、工場建設の交渉を行なうこととなる。
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