2月19日のニューヨーク市場でWTI 原油価格が一時100.10ドル/バレルで過去最高値を更新、終値も100.01ドルで過去最高となった。
前日18日は米国では大統領の日で休日で、先週末の終値は95.5ドルだった。
これまでの最高は本年1月3日の100.09ドル、終値は同1月2日の99.62ドル。
OPECが3月5日に総会を開くが、減産を決めるのではないかとの懸念が出たのが主な理由。イランのNozari石油相が17日に、「OPECは通常3月に減産する。需要の動向や備蓄量を調べる必要がある」と述べたと伝えられた。
このほか、ベネズエラの石油国営化を巡ってのエクソンモービルとの争いでベネズエラが同社への原油出荷を凍結したこと、米テキサス州で起こった製油所の事故などから供給懸念が強まった。
ベネズエラは石油の国有化を決め、各石油会社は国営石油会社 PDVSAと条件交渉を行なった。
Chevron、Total、BP、StatoilHydroはPDVSAの条件を呑み、Minority partner として操業を続けることとした。しかし、ConocoPhillips とExxon Mobil はこれを拒否し、争ってきた。(ConocoPhillips は最近、合意に近づいたとしている)
Exxon Mobil は油田国有化で損害を被ったとして補償を求めて訴訟を行い、米欧の裁判所は同国が支払いに応じなかった場合に備え、PDVSAが海外に保有する資産を差し押さえる命令を下した。
米ニューヨーク連邦地裁は3億ドルの現金、英裁判所は120億ドルまでの資産の差し押さえを命じた。今後、国際調停に入るが、不調に終わった場合、Exxon Mobil は差し押さえ資産を処分し、現金を回収できる。
但し、ベネズエラによると英国には資産はなく、問題になるのは米国の3億ドルの現金だけとしている。これに反発してベネズエラのChavez 大統領は2月10日、Exxon Mobil が差し押さえた場合、「経済戦争」で米国への原油供給をカットすると警告、12日にPDVSAはExxon Mobil への原油販売を止め、同社との関係を一時中断したと発表した。
ベネズエラは米国の原油輸入の約12%を占めており、カナダ、サウジアラビア、メキシコに次ぐ第4位となっている。
なお、東京市場でも原油、ナフサとも過去最高値に近づいている。
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