2007年10月、同地で112エーカーの土地を砒素、鉛、カドミウムの産業廃棄物で汚染し、地域住民の健康に被害を与えたとして、DuPont に対して住民代表の10人による集団訴訟の裁判が行なわれた。
陪審員の決定は以下の通りであった。
1)廃棄物処理に関するDuPont の責任:DuPont に責任と過失
2)住民側の健康診断要求:今後40年間、DuPont が検査費用を負担
3)公害物質除去費用の負担:55.5 百万ドルの負担
4)懲罰的賠償:196.2百万ドルの懲罰的賠償
2007/10/23 DuPont、廃棄物問題裁判で敗訴
2008年2月25日、Harrison County 巡回裁判の判事は、上記の 196.2百万ドルの懲罰的賠償の決定を支持した。
判事はまた、住民側の健康診断の費用はDuPont が実費を負担とするが、DuPontに対して 130百万ドルを escrow account (その目的のための特別口座)に預金することを命じ、口座の管理者を指名した。
この結果、DuPontの負担総額は381百万ドルとなる。
判事はDuPont の裁判のやり直しの要求を拒否した。
また、弁護士費用等として135百万ドルを認めた。これは健康診断費用や公害物質除去費用には影響させず、懲罰的賠償額から引かれることとなる。
なお、数千人の住民を代表して集団訴訟を行なった10人の原告が求めた75千ドルの報奨金は認められなかった。
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DuPontは今回の130百万ドルの健康診断費用を不満とし、州最高裁への控訴を検討している。
実際に必要な費用より数千万ドル高く、高額の弁護士費用を正当化するためのものだとし、肺がん検査のための低線量CTスキャンなどの必要性の科学的根拠は無く、むしろスキャンによる放射線の方が害があるとしている。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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