三菱化学、中国でビスフェノールAとPCの合弁会社設立申請

| コメント(0)

三菱化学は、三菱エンジニアリングプラスチックスとSinopecの3社で中国におけるビスフェノールA(BPA)とポリカーボネート樹脂(PC)の製造・販売JVのFSを行なっていたが、4月8日、中国の国家発展和改革委員会(NDRC)にプロジェクト申請書を提出したと発表した。

承認後、速やかに合弁会社の設立を申請し、2010年春を目標に製造設備を完成させる予定。

JVは日本側投資会社PCR Investments Japan
Sinopec の50/50出資。
投資会社には三菱化学が80%、三菱エンジニアリングプラスチックス
(三菱化学と三菱ガス化学の50/50JV)が20%を出資する。

能力は BPA 150千トン、PC 60千トンで、北京市のSinopec北京燕山分公司内に立地し、SinopecからBPAの主原料であるフェノール及びアセトンとユーティリティの提供を受ける。投資総額は約3億米国ドル。

中国での海外メーカーのBPA、PCの生産の状況は以下の通り。
GE Plastics も中国での生産を検討していたが、売却話の途中で中断、その後買収したSABICは
、同社がサウジでPC計画を進めているため、中国での計画をやる考えはないと言明した。

三井化学が既に上海でSinopecとのJVでBPAの工場を建設中で、三井、三菱両社がそれぞれSinopecとのJVで事業を行うこととなる。

  BPA PC
Bayer 立地:上海ケミカルパーク
能力:200千トン(時期未定)
立地:上海ケミカルパーク
能力:200千トン(第一期 100千トン稼動)
JV :Bayer 90%/上海クロルアルカリ10%
帝人化成 (三井から供給) 立地:浙江省嘉興市
能力:100千トン(60千トン)
* Bayerとglobalに相互供給
三井化学 立地:上海ケミカルパーク
能力:120千トン(建設中)
JV :
上海石化三井化工
    (
Sinopecと50/50
(帝人化成にも供給)
三菱化学 立地:Sinopec 北京燕山分公司内
能力:150千トン(申請)
JV :
Sinopecと50/50
立地:Sinopec 北京燕山分公司内
能力:60千トン(申請)
JV :
Sinopecと50/50

2006/4/14 ポリカーボネートと原料ビスフェノールA  

2007/2/13 GE Plastics、中国のPC計画延期  

 

三菱エンジニアリングプラスチックス19943月に三菱ガス化学と三菱化成(現三菱化学)両社折半出資によって設立され、両社が従来行ってきたエンジニアリングプラスチックス事業を継承し、一体化した。
PCのほか、ポリアミド樹脂
PBT、POM、PPS、液晶ポリマー樹脂 等を扱っている。

PCについては日本では三菱化学・黒崎と三菱ガス化学・鹿島で製造している。
1996年にタイ・ポリカーボネートを設立、2001年に韓国の三養化成に出資して引取権を取得している。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


コメントする

月別 アーカイブ