Invista、DuPontに8億ドル以上の損害賠償請求

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Koch Industries は2004年にDuPont の繊維部門であった Invista を42億ドルで買収した。

Invistaはこのたび、DuPont が工場を所有していた際に安全面、環境面で広範かつ重大な違反があったとして8億ドルの補償と、懲罰的賠償を求め、マンハッタンの連邦地裁に訴訟をおこした。

米国、カナダ、英国、オランダ、ブラジルの14のプラントに環境安全面で違反があり、対策が必要となっている。DuPont が環境、健康、安全に関する法や規則に従わず、認可条件を満たさず、従業員やコミュニティ、環境を保護する行動を取らなかったとしている。

買収の1ヶ月以内に、Invista はテキサスの2工場がベンゼン排出でクリーンエア規則に違反していることを知り、その後の50プラントの監査で687件の問題点を見つけた。
Texas Victoria 工場ではベンゼン処理プラントが2000年から違法に操業されており、同Orange 工場では1992年からベンゼンを直接大気に放出していた。

訴えの中で、Invistaは安全環境違反を調べ、報告し、是正するのにこれまで約140百万ドルを投じ、更に今後、連邦政府、州政府との話し合いの中で、300~450百万ドルの投資が必要とみられる。今後建設する公害防止設備の運営費等も必要で、これらも今回の請求額に含まれている。海外のプラントについても投資が必要としている。

更に、DuPont が重要な違反事項について知っていたとして、懲罰的賠償を求めている。

2004年の買収契約では安全環境対策の不備の場合はDuPont が費用を負担することとなっている。

Invistaによると、「DuPont
は安全環境面では誰にも負けない、環境面・安全面でグローバルリーダーだと繰り返して保証した。我々はこれを信用し、更に、不備の場合は費用を負担するという約束で安心していた。しかし、DuPont は3年以上にわたってこれを拒否してきた。」


これに対してDuPont側は、対象工場で誰一人として負傷しておらず、不当なリスクにさらされたこともないとし、買収後4年も経っての主張は契約上の文言を利用して増強資金を得ようとしているのではないかと非難、根拠のない批判に徹底的に争うとしている。


 総合目次、項目別目次は
   
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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