人民元の上昇が加速しており、10日午前に中国人民銀行が発表した中間値は1ドル=6.992元となった。
6元台は2005年7月の切り上げ後、初めてとなる。(グラフは日本経済新聞 2008/4/8 から)
中国は2005年7月までは、人民元のレートを米国のドルに対して1ドル=8.28元にほぼ固定する固定相場制を採用してきた。
人民元相場が変動すると中国人民銀行が為替市場に介入して、1ドル=8.28元になるように調整していた。2005年7月21日、中国人民銀行は、人民元の対ドルレートを2.1%切り上げ、1ドル=8.11元にすると発表した。
人民元の動きをドルに対して固定する「固定相場制」から、市場の需給関係に基づいて「通貨バスケット」を参考に人民元レートを決定する「管理変動相場」に移行するもの。
その後、本来であれば輸出の増加によるドルの大量流入で人民元相場が大幅にあがるべきところ、人民銀行がドル買いを行なって、これを抑えたため、国内の過剰流動性が増え、インフレが進む結果となった。
今回は中国政府はインフレ抑制の一環として人民元高を容認しているとみられている。
これが進むと、今後は中国からの輸出が打撃を受けることとなる。
付記
香港では米ドルペッグ制(連動相場制)が行われ、香港ドルと米ドルとは連動するため、米ドルが弱体化すると、香港ドルの対人民元レートも連動して下落することになる。
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