売上高は増加したが、営業損益、経常損益は減少した。配当は増加。
税引前損益は前年度の6,254億円から5,768億円に485億円減少したが、前年度に移転価格税制に基づく更正処分追徴税 571億円を計上したことから、当期損益は結果として増益となった。
2007/5/14 注目会社、3月決算概要ー4
連結損益 単位:億円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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売上高は国内外における糖尿病治療薬、高血圧症治療薬が伸長し、前年比696億円増の13,748億円となった。
売上総利益は707億円増の10,962億円となったが、販売費一般管理費が1,060億円増加し、営業利益は354億円の減益となった。
販売費一般管理費のうち、研究費は836億円の増加となっている。
研究開発費は研究活動の強化、開発活動の進捗に、米国アムジェンが保有する癌、炎症、疼痛などの疾患領域における臨床開発品目に関するライセンス料も加わった。
2008/2/11 武田薬品、アムジェンとの提携を発表
なお、特別利益に関係会社株式売却益 386億円を計上した。
ワイス(米国ワイスに)、武田キリン食品(麒麟麦酒に)、ハウスウェルネスフーズ(ハウス食品に)、
住化武田農薬(住友化学に)譲渡
前年度も関係会社株式売却益で171億円、事業譲渡益で190億円を計上している。
ワイス(一部)、三井武田ケミカルの株式
武田食品工業(ハウスとのJVに)
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2009年3月期予想に関し、同社は大幅減益になると発表した。
売上総利益は増加するが、ミレニアム社の子会社化に伴う研究開発費や無形固定資産の償却費等の負担により、営業損益で1,831億円、当期損益で1,955億円の減となる。
研究開発費が前年度に比較し、2,092億円も増加する。
買収するミレニアム(下の図参照)や100%子会社化するTAPファーマシューティカルの開発中の新薬候補の価値を「仕掛中の研究開発費」(IPR&D)として一括計上するもの。(但し、金額は今後、外部専門家の評価、会計監査人による監査により最終決定する。)
同社は3月19日、Abbott Laboratories との50/50JVのTAP Pharmaceutical Products Inc. を均等な価値で会社分割を実施することでAbbottと合意した。同社を100%子会社とする。
2008/4/4 武田薬品工業、米国事業再編
また、4月10日、米国バイオ医薬品会社 Millennium Pharmaceuticals, Inc. を約88億ドルで買収することを発表した。
同社は5月9日、91.9%の応募を受け、本TOBが成立したと発表した。
Millennium社概要 ・1993年創立 ・癌領域におけるリーディングカンパニー 優れた研究開発力 高い米国販売プレゼンス ブロックバスター候補の癌治療薬を持つ ・グルーバルなバイオ企業の中で、時価総額で上位10社にランクイン ・2007年12月期売上高:528百万ドル、純利益:14.9百万ドル ・癌領域および炎症疾患領域において有望なパイプラインを保有 ・研究~開発~販売までに至る質の高いフルライン機能 |
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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