2008年3月期 化学会社決算対比

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化学会社の決算がほぼ出揃った。

各社の営業損益(3期対比)の対比は以下の通り。医薬専業は明日掲載。
うち昭和電工は12月決算)

 

2008年3月期は増益会社と減益会社が入り混じっている。

次ぎの各社については既報参照。なお、帝人については5月22日に掲載。

  信越化学   2008/5/2 2008年3月期決算 信越化学 好調
   
  三菱ケミカル   2008/5/12 2008年3月期 注目会社決算 三菱ケミカルホールディングス
   
  住友化学、三井化学、東ソー、旭化成
    2008/5/14 2008年3月期 注目会社決算 石油化学各社
   
  三菱レイヨン   2008/5/16 2008年3月期 注目会社決算 住友ベークライト 
   

       退職給付会計の数理計算差異が影響  

     

ーーー 

営業損益変動の主な例は以下の通り。(問題製品を含む事業部門の営業損益、単位:億円)

中国向け中心のPTA、VCM、PVCなど値下がり+原料価格高騰
 
  部門 05/3 06/3 07/3 08/3
三菱化学 石油化学(PTA、 エチレングリコール等)
   08/3  火災事故の影響 
-82 含む
 586  309  282

92

三井化学 基礎化学品(PTA、PET、フェノール、ビスフェノールA、EO/EG)  360  219  110  ー
   分類変更 基礎原料(エチレン、プロピレン等)含む      531  334
東ソー 基礎原料(苛性ソーダ、VCM、PVC、セメント)  204   56   61   27
 
信越化学は米国の Shintech が 住宅不振の影響で 2007年度は前年比で経常損益が125億円減少した。
 
部門  06/3  07/3  08/3
塩ビ系   380   420   315
   
住友化学は、石化が原料価格高騰のほか、4年に一度の大型定期修繕の影響で大幅減益となった。
 
部門  06/3  07/3  08/3
石油化学   179   236    45
   
   
コエンザイムQ:競争激化による大幅な減収、減益
 
  部門 06/3 07/3 08/3
カネカ ライフサイエンス  190   57   53
   
液晶フィルム値下がり
 
  部門 06/3 07/3 08/3
住友化学 情報電子化学  217   35  28
   
上記の各製品の状況は一時的なものでなく、今後も回復の可能性は少ない。

特に石油化学製品についてはナフサの高騰が続いており、これまで出来ていた製品価格への転嫁が難しくなりつつある。
中国についても相変わらず大型増設が続いており、輸出採算の回復は難しい。

円高も輸出採算悪化につながる。

次期の損益は各社とも厳しいものになると思われる。

三菱ケミカルホールディングスは5月13日に発表した 中期経営計画「APTSIS 10」の策定 で、
2008年3月に終了した前中期計画での営業利益の目標収益未達の理由の一つにテレフタル酸事業環境悪化を挙げている。(他に、鹿島火災事故、機能商品市場の立上り及び開発の遅れ)
新中期計画では化学品分野の戦略を “高機能化へのシフトと事業基盤強化” とし、これまで目玉事業であったテレフタル酸事業を「再編・再構築事業」とし、「構造改革(他社との連携・協業)、合理化」を進めるとし、今年中には対応を考えると述べた。

   
   
逆に、半導体シリコンのように大増益の部門もある。
 
  部門 05/3 06/3 07/3 08/3
信越化学 電子材料
(半導体シリコンなど)
 537  653

1,066

1,621

トクヤマ

特殊品
(多結晶シリコンなど)

92

161

258

305

 
  部門 04/12 05/12 06/12 07/12

旭硝子

電子・ディスプレイ
(FPD用ガラス基板、電子部材 好調)

 709

 609

 792

1,182

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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