4月17日、木屑から発生させたガスでバイオディーゼルを生産する本格的な製油所がドイツ東部で稼働を始めた。記念式典にはメルケル独首相も出席した。
トウモロコシやサトウキビ原料の第一世代のバイオ燃料と異なり、食糧と競合しないため、注目を浴びている。
Choren Industries GmbH が東ドイツSaxony 州の Freiberg で Biomass-to-Liquid (BtL) 工場をスタートさせた。
8~12ヶ月でフル稼働(18百万リットル)にする。廃材や木屑など65千トン(乾燥ベース)を原料とする。
木屑などのセルロースを利用する「第二世代のバイオ燃料」(穀物・油料作物・砂糖作物を原料としないバイオ燃料)であるが、醗酵によるセルロースエタノールとは異なる。
1992年にバイオマスのガス化、精製技術改良を目的に、CHORENの前身のCRG Kohlenstoffrecycling Ges. mbH. が設立された。
創業者の Dr. Bodo Wolf は光合成で植物に蓄えられたエネルギーの利用:「太陽をあなたの燃料タンクに」を目的とした。
現在の社名のCHOREN は次の意味を持つ。
独自に開発したCarbo-V ® process を使用するもので、Daimler と Volkswagen と提携し、両社が燃料のテストを行なった。
Fischer-Tropsch Synthesis の適用ではShell と提携している。
製品は非常にクリーンで、Daimler と Volkswagen はこれを SunDiesel® と名付けた。通常のディーゼルと比較すると、有害な排出物、汚染物質を30-40% 減らすことができる。芳香族や硫黄分はほとんどゼロ。
また、これは原料として使われるバイオマスが吸収したCO2と同量のCO2しか排出せず、最初の真のゼロエミッション燃料であるとしている。
現在及び将来のどんなディーゼルエンジンにも改造なしで使用できる。
Choren はBrandenburg 州Schwedt で年産能力270百万リットル(200千トン)の本格商業生産プラントを計画している。
最終決定は2009年でFS次第であるが、実施の場合は2012年か13年スタートとなる。
しかし、現時点ではコストは化石燃料より高く、使用には税務上のインセンティブが必要となる。
但し、ドイツでは第二世代のバイオ燃料の免税は2015年までのため、法改正が望まれている。
なお、同社はCarbo-V ® processを利用した発電の開発を進めている。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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