ダウのダイオキシン問題で異例の展開

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本年1月にダウのダイオキシン問題を報じた。

EPAは昨年6月に本件をミシガン州環境局(Michigan Department of Environmental Quality)から肩代わりしたが、EPAは1月4日、汚染のクリーンアップに関して、これまでダウとの間で続けてきた話し合いを取り止めると発表した。

  2008/1/10 ダウのダイオキシン問題

この問題はこのたび、異例の展開をみせた。

5月1日、この問題でダウと争ってきたEPA中西部支部のヘッドのMary A. Gade がブッシュ政権からの圧力で辞職した。

彼女は2006年にブッシュ大統領の指名でこの職についたが、EPA長官の補佐官が彼女の支部長の権限を剥奪し、辞職するか、さもなければ解雇すると伝えたという。
新聞に対し、彼女は、「ダウの問題に間違いない。私も部下もするべきことをやった、誇りに思っている」と述べた。

 

昨年夏に、Gade はダウに対してMidland工場の近くの最もダイオキシン汚染のひどい3箇所のクリーンアップを命じた。11月にはSaginaw park160ppt という米国で過去最高値のダイオキシン汚染が見つかり、追加の浚渫を要求した。
EPA のダイオキシン限度は1,000pptで、ミシガン州の環境基準限度は90ppt となっている。

この時点でダウはGadeに対し、期限を少なくとも2010年まで延ばすよう求めたが、Gade14日に上記の通り、話し合いの取り止めを発表した。

これに対して、ダウはワシントンに訴えたとされる。

EPA報道官は単にGadeは休暇中で、休暇明けの61日に辞職するとだけ述べた。
また、ダウは、
Gadeの辞職に同社はなんら関係していないと述べた。

200611月に土壌で69,00087,000ppt のダイオキシンが見つかった。
ダウではダイオキシンがみつかった土壌の深さから、汚染は1世紀以上前のもので、ダウの廃棄物とは関係ないと主張している。

ダウの報道官は2日、ダイオキシンについて次ぎのように述べた。
「ダイオキシンがあるからといって、健康にすぐに影響する訳ではない。調査の結果ではダイオキシン汚染土壌は人間の身体の汚染物質のレベルに影響を与えておらず、健康面、環境面で切迫した問題ではない。」

本件はブッシュ政権が大企業のために、科学やEPAの規則に政治介入する最新の事例であるとの報道が多い。

これに関して上院議員が議会で、この問題を非難し、「詳細は分からないが、政権が米国民の利益より政権の利害を重視する姿勢がまた出てきたように見える」と述べた。

住民側はテストを何度も行なっているが、一体いつになったらダイオキシンを除去してくれるのかと不安感を示している。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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