中東で2つの大型製油所計画

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クウェートとサウジで大型製油所計画が発表された。

クウェートでは国営石油会社(KNPC)が、国内の電力需要増加に対応すべく、クウェート市の南85kmの Al-Zour 地区に日産615千バレルの製油所を建設する。
当初予算は63億ドルであったが、現在の予算は140億ドルに膨れ上がっている。
当初2010完成を予定していたが、現在では20125稼動とみている。

クウェートの原油生産量は現在、日産 255バレルで、3つの製油所に合計 930千バレルの精製能力を持っている。
本計画の完成後は、
200千バレルのShuaiba 製油所を停止する。

KNPCはこのたび、工事を5つに分け、そのうち4つを日韓の企業に発注した。

パッケージ 発注先 予算
原油蒸留設備(日産 205千トンx 3基)、
常圧残渣油脱硫装置
(日産 330バレル)など
日揮及び韓国 GS エンジニアリング 40億ドル
水素設備 韓国 SKエンジニアリング 26.24億ドル
用役、付随設備 未定  
タンク 韓国 大林産業 11.84億ドル
海上設備 韓国 現代エンジニアリング 11.2億ドル

日揮は常圧残渣油脱硫装置、残渣油冷却設備、オフガス回収設備などを建設、受注分は2,000億円以上。

同社は、1980年代に建設したクウェートのMina Al-Ahmadi 製油所をはじめ、これまで47件の新設製油所プロジェクトを遂行し、近年ではオマーンのソハール製油所を手掛けている。

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Saudi Aramco とフランスのTotal 5月14日、Jubail に日産400千バレルの製油所を建設することを発表した。
Arabian Heavy 原油を精製し、高品質の石油製品を製造する。2012稼動の予定。

ディーゼルとジェット燃料の生産を最大化することを狙っており、これに加え、パラキシレン(年産70万トン)、ベンゼン(同14万トン)、ポリマーグレードプロピレン(同20万トン)を生産する。

本年第3四半期に合弁会社を設立する。
当初は
Saudi Aramco 62.5%、Total 37.5%出資とし、認可を得られれば25%分を公募し、両社は37.5%ずつとなる。

生産物は両社で分け合う。

両社は2009年中に設備を発注する。

総投資額は明らかにしていないが、同地区の建設費は高騰しており、100億ドル規模になる可能性がある。

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付記

Saudi Aramco ConocoPhillips 516日、これまで検討してきた新製油所計画の実施を決めたと発表した。

Yanbu Industrial City に日産40万バレルの重質油完全改質製油所を新設する。
2013年スタート予定で、50/50JVで運営する。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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