サウジのSipchem の石油化学計画については2月に報告した。
同社はAl-Jubail で、第1期として無水マレイン酸とメタノール、第2期として酢酸、VAMを建設したが、第3期として、エチレン100万トンにプロピレン、PE、PP、ANM、MMA、カーボンファイバーなど多岐にわたる誘導品を製造するもので、三井物産やIneos、SABICなどの参加も噂された。
70億ドルを投じるもので、2011年の生産開始を予定していた。
2008/2/29 サウジ Sipchem の石油化学計画
同社がエチレンとプロピレンのクラッカー建設を取り止めたと報じられた。LDPE、HDPE、PP計画も取り止める。
中東の石化プラント建設ラッシュで建設業者が確保できず、スケデュールやコストに狂いが出たこととファイナンス問題が理由とされている。
同社はエチレン、プロピレンをAl-Jubail の他のメーカーから購入し、付加価値製品の生産に専念する。
計画されている製品には、EVA、ACN、MMA、PMMA、ポリアセタール、PVA、青酸ソーダ、カーボンファイバーがある。
Al-Jubail には多くのクラッカーがあり、能力に余裕があるため、Sipchemにエチレン、プロピレンを供給するのに特に新規投資を必要としない。
中東では石化ブームで建設費は異常に高騰している。
PetroRabigh の建設費は予想の43億ドルから85億ドルに上昇したが、2007年5月に発表されたAramco/Dow のRas Tanura 計画は当初 100億ドルと想定された建設費が、220億ドルに達すると見られている。
2007年2月にはカタール石油 と ExxonMobil が建設費高騰のためGTLプラントの建設を取り止めることを決めた。
2007/4/19 中東の石化計画、建設費アップが重大問題に
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