Dow Chemical は10日、タイのSiam Cement Group (SCG)とのJVの SCG-Dow Group がタイでPO工場の建設に着手したと発表した。
Dow とBASF が共同開発した過酸化水素法PO(HPPO)で、能力は39万トン、Map Ta Phut 近郊のAsia Industrial Estates に建設する。
PGプラントも同時に建設し、2011年に生産開始の予定。
原料過酸化水素については2007年7月にDow と SolvayがJVの設立で合意している。
能力は330千トン(100%ベース)で、Asia Industrial Estates に建設する。
2007/8/3 Dow と Solvay、タイにHPPO用の過酸化水素製造のJV設立
Solvayはタイの子会社、Peroxythai Ltdにもここから過酸化水素を供給する。
PeroxyThai は1989年にSolvay が設立した。Rayong に過酸化水素工場(能力2万トン)を持ち、主にパルプ、製紙用に供給、4割を輸出している。
HPPO 用の原料プロピレンについては、 Dow と Siam Cement Group が建設を発表したRayong の新しいナフサクラッカーから供給する。
11億ドルを投じてを建設するもので、能力はエチレン90万トン、プロピレン80万トン。OCT(Olefins Conversion Technology) で大量のプロピレンを製造する。Siam が67%、Dow が33%出資し、2010年稼動を目指している。
2006/10/24 ダウ、アジア進出を促進
2007年7月のDow/Solvay の過酸化水素JV発表時には、POは、アントワープでのDow/BASF JVによるHPPO計画に続くものとして、Dow とBASF で交渉が進められていた。
今回、何故BASFが降りて、代わりにDowがエチレンで提携している現地のSiam Cement となったのかは、明らかにされていない。
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過酸化水素法POはBASFが1995年頃から研究してきたもので、副産物がなく、最終製品であるPOと水しか発生しないこと、プラントの設置面積が小さく、必要インフラストラクチャが少ないことが特徴とされている。
Dowは2001年にエニケムとの間でポリウレタン事業とポリメリ(UCC/エニケムのPEのJV)持分を交換した際にこの技術を取得しており、DowとBASFは2002年8月に共同開発を決めた。
BASFは過酸化水素製造のため、Solvay と提携している。
2006年3月、DowとBASFは合弁でアントワープに過酸化水素法POプラントを建設すると発表した。
能力は30万トンで、2008年初めのスタートを目指した。
両社は2006年2月に製造JV契約を締結、共同開発した技術に50/50の権利を有し、それぞれが生産量の半分を引き取る。
過酸化水素はSolvay技術による単一ラインとしては世界最大の23万トンプラント。 Solvay と BASF がJVを設立し、このJVとDowがファイナンスのためのパートナーシップを設立した。
2006/3/24 ダウとBASF、POを新製法で生産
Dow とBASF はアジアを含む他の地域でも共同でこの事業を行ないたいとしていた。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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