ニュースのその後

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2008/6/21 Hexion によるHuntsmanの買収、取り止めか   

Huntsman は623合併を邪魔したとしてHexionの親会社のApollo Management をテキサス州法廷に訴えた。

訴えによると、Apollo はライバルのBasell のオファーを退け、出来もしない約束をしたとし、その上で値下げ交渉をしようとしているとする。

Huntsman 30億ドルの損害賠償と、Basellに支払った違約金2億ドルのうちHexionが負担すべき1億ドルに加え、Huntsmanの事業、企業価値への損害額(金額未定)を求めるとしている。

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2008/1/7 韓国公正取引委員会、LDPEカルテルで6社に課徴金
   

韓国公正取引委員会は2007年4月、タイヤメーカー向け合成ゴムに関して2000年3月から2003年3月までの間、価格カルテルを行っていた錦湖石油化学と Seetec (旧 現代石油化学)に対し,是正命令と総額56億ウォンの課徴金を賦課する決定を行った。

錦湖石油化学の合成ゴムのシェアは68.7%、現代石油化学のシェアは22.2%であった。

更に本年6月、2000年以降、スチレンモノマー、トルエン、キシレン、エチレングリコールなど6種類の製品で価格の談合をしていたとして、石油化学企業8社に対し総額127億ウォン(約13億2300万円)の課徴金納付命令と是正命令を下した。

会社別の課徴金の額は以下の通り。
SKエナジー 48億3600万ウォン
GSカルテックス 28億7200万ウォン
サムスン・トータル 17億6800万ウォン
湖南石油化学 8億9800万ウォン
シーテック(旧現代石化) 8億4400万ウォン
大林コーポレーション 6億1900万ウォン
東部ハイテック 4億7100万ウォン
サムスン総合化学 3億9500万ウォン

2007年2月のHDPEとPPカルテル(課徴金 10社合計 1,051億ウォン134億円)、同12月LDPE6社合計 541億7,500万ウォン:約65億8,400万円)を含め、短期間に相次いで4件のカルテルが摘発された。

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2007/8/11 PPカルテル審決  

2000年5月30日に7社に公取委の立入検査が入った。うち3社は課徴金を支払ったが、4社は2007年8月の審決に対して東京高裁に控訴して未だに争っている。

公取委は2008年6月20日付けで、残り4社に対し課徴金納付命令を出した。
(通常はメーカーが審決を受諾した後で課徴金納付命令を出す。メーカーが控訴したが、とりあえず課徴金の算定結果が出たので納付命令を出したというもの。)

メーカー側は控訴中のため、8月20日の納付期限までに裁判の結果が出ない限り、当然争うものと思われる。

各社の課徴金は以下の通り。(青字が確定分)

  当初課徴金 審判課徴金 今回の命令
三井化学(グランドポリマー)  7億6008万円    
日本ポリケム  8億4517万円  2億2087万円  
チッソ  4億3513万円  1億1662万円  
出光興産      1億4215万円
住友化学      1億1716万円
サンアロマー         5097万円
トクヤマ         4781万円

日本ポリケムとチッソは当初の課徴金納付命令に対し審判を要求、その結果、課徴金計算終期の見直しで当初の命令より大幅減額を得た。(当初命令は2000年9月頃の「本件合意から離脱する旨等を他の各社に文書で通知」した時期までであったが、5月30日の立入検査までとした。)

4社についての計算も立入検査までの期間での計算と思われる。

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2008/2/6  SABICの中国進出 

SABICは本年1月31日、Sinopec との間で、50:50のJVを設立して天津にエチレン誘導品コンプレックスを建設する Heads of Agreement を締結したと発表した。

Sinopecは天津で年産100万トンのエチレンコンプレックスを建設中であるが、JVはここに、年産60万トンのPEと40万トンのエチレングリコールのコンプレックスを建設することとなっていた。

SABICとSinopecは6月21日、戦略的協力契約を締結し、両社のJVを天津に建設中の石化コンプレックス全体に拡大するとともに、SABIC Innovative Plastics の技術での原料によるポリカーボネート生産のFSを実施することとした。

調印には、主要産油国と消費国がサウジアラビアのジッダで開いた緊急閣僚会合に出席した中国の習近平副主席も立ち会った。

契約はまた、今後の中国での他の計画での協力なども行なうとしている。

SABIC Innovative Plastics の前身のGE Plasticsは、2006年にPetroChina とポリカーボネートの製造JVの設立交渉を行っていたが、2007年初めにこの計画を延期することを決めた。
その後の報道では、GE Plastics を買収したSABICは、同社がサウジでPC計画を進めているため、中国での計画をやる考えはないと言明していた。

2007/2/13 GE Plastics、中国のPC計画延期 

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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