住友化学は4月3日、東洋インク製造と合弁でサウジアラビア、タイ、中国にPPコンパウンド設備を追加すると発表した。
同社はPP事業のグローバル展開を進めている。サウジでSaudi Aramco とのJV PetroRabighで今秋完成を目指して建設を進めており、完成後はシンガポール、テキサス、千葉と合わせて世界4極、年産200万トン規模のPP供給体制が構築される。
これらを最大限に活かして、自動車用部品向けなどで需要が増加している PPコンパウンド事業について拡大を図る。
タイでは住友化学 55%、東洋インキ 45%出資のSumika Polymer Compounds Thailandを設立、年産11,000トンのPPコンパウンド設備をバンコク近郊に建設する。
中国では2006年に東洋インキとの合弁会社(住化55%)の珠海住化複合塑料有限公司が現地生産を開始しているが、11,000トンを増設し、年産22,000トンに増強する。
サウジアラビアでは住友化学 55%、東洋インキ 45%出資で Sumika Polymer Compound Saudi Arabia を設立し、PetroRabighプラントに隣接するRabigh Conversion Industrial Parkで年産10,000トンののPPコンパウンド設備を建設する。
アジア、アフリカ、欧州等の市場に向けて、原料から一貫した生産体制を構築する。
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サウジアラビアは人口増、高い失業率に悩んでおり、外資を導入して石油オンリーの経済を多角化しようとしており、新しいプラスチック加工のセンターになることを目指している。
Rabigh Conversion Industrial Park (CIP) はSaudi Aramcoと住友化学がスポンサーとなって PetroRabigh に建設するプラスチック加工団地で、面積は240ヘクタール(うち70ヘクタールは用役、物流、共通施設用地)。
下記の利点を訴え、ニューヨーク、ロンドン、デュッセルドルフ、湾岸各地で誘致説明会を行なっている。
Rabigh Conversion Industrial Park の利点
詳細 http://www.rabighcip.com//?content=6#resinsandenergy
1)PetroRabigh の競争力あるレジン
当面の生産品目:
HDPE、LLDPE、EPPE、Homo PP、Random PP、Impact PP、MEG、PO
2)政府が設定する安い電力料金 約 3.2 Cents/kWh
3)政府のインセンティブ
外資100%承認(JV含め国内投資と同様の扱い)
損失の無期限繰越
元本・利益・配当の自由送金
法人税率20%頭打ち、等々
4)立地
国際港湾の Jiddah からハイウエーで180km
大規模新都市 King Abdullah Economic City から15km
欧州市場へのアクセス
5)サポートサービス
電力、水、通信、保安、ビジネス支援等々
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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