Sinopec と韓国のSK Energy は5月28日、SK Energy がSinopec の武漢エチレン計画に35%出資することで合意したことを明らかにした。
韓国の李明博大統領は27日から4日間、就任後初めて中国を訪問したが、基本契約調印は大統領の北京滞在中に行なわれた。
アジア勢としては初めてのエチレン計画への参加となる。
昨年の4月24日にSKとSINOPECとの間で共同投資の覚書を締結したと伝えられていた。
同社の投資額は明らかにされていないが、韓国業界筋では10億ドル程度とみている。
政府の認可が得られ次第、合弁会社を設立する。
武漢エチレン計画は既に建設が始められており、2011年末のスタートの予定。
Sinopec 子会社の武漢石油化学が実施するもので、19億ドルを投じ、80万トンのエチレンコンプレックスを建設する。
計画には以下の誘導品が含まれている。SKはこれらにも参加する。
LLDPE 300千トン
HDPE 300千トン
PP 400千トン
EO 100千トン
EG 380千トン
2007/4/9 中国、湖北省武漢市のエチレン計画を承認
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SKは2007年7月に持株会社制度を採用し、石油及び化学部門を SK Energy とした。
SKは元々は鮮京(SunKyung:ここからSKという名前ができた)で、石油化学の歴史は以下の通り。
1962年に韓国政府が100%出資で Korea Oil を設立、1972年に蔚山に韓国最初の石化コンプレックスをつくった。
Korea Oil は1976年に米国 Gulf Oil との50/50JV となったが、同社の撤退で1980年に鮮京が50%出資、1980年の政府民営化方針で鮮京の100%出資となった。1982年にKorea Oil をYukong (油公)と改称した。
1987年にはARCOとのJVのYukong ARCO でPO/SM 併産プラントを建設した。(1992年にARCOが撤退、現在はSK子会社のSKC となっている。)Yukong は1997年にSKと改称、上記の通り、現在はSK Energy となっている。
SK Energyの蔚山コンプレックスの概要は以下の通り。(単位:千トン)
その後設立された各財閥のコンプレックスと異なり、政府設立のコンプレックスのため、川下企業が多数参加している。
三星石化:三星グループ 47.41%、BP 47.41%、Shinsegae 5.18%
三星BP Chemical :三星とBPのJV
SKC:元 Yukong ARCO Chemical
BASF:現在のSKCからPO/SM 併産以外のSM設備購入
東西石油化学:旭化成 100%
龍山三井化学:龍山化学/三井化学JV
韓国 PTG :龍山化学 33.33%/龍山 14.11%/愛敬石化 30%
愛敬油化(元 三敬化学):愛敬化学/三菱ガス化学JV
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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