三菱化学鹿島のEOセンター

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三菱化学が鹿島事業所(茨城県神栖市)でエチレンオキサイドの物流コスト削減のため進めているEOセンター構想が動き出した。

鹿島以外の地域に製造工場を持つ各種界面活性剤等のメーカーを鹿島に誘致し、双方の設備をパイプで直結し、双方の物流と製造に係わるコストの削減を図る。

同社は蒸気や窒素等も新たな配管で供給していくことにしている。所要資金は約50億円となる見込み。

鹿島地区では、ライオン、日本乳化剤、旭硝子の3社がEO誘導品プラントを設置してパイプでEOの供給を受けている。
日本乳化剤は第一三共の100%子会社であったが、2007年11月に日本触媒が買収した。)
また、花王も2010年末以降は界面活性剤向けのEOをパイプで引き取ることにしている。

新しく鹿島に誘致するのは、東邦化学工業、竹本油脂、日華化学、青木油脂の4社で、既に土地を買収しており、東邦化学工業が先頭を切って7月7日に現地で界面活性剤の新工場の建設工事に着手した。
茨城県も誘致活動を展開してきた。

2010年末には合計8社のEO誘導品設備がパイプでEOプラントとパイプで直結されることになり、ローリーや貨車による遠隔輸送を2011年3月をめどに停止する。

 

東邦化学工業は、千葉、追浜、四日市、徳山の4工場を持つが、昨年4月に鹿島で用地を取得、既存工場での加圧反応設備の能力不足を補うと共に、大型且つ高度に合理化された設備を導入し、少品種大量生産型製品中心の生産に対応する。

竹本油脂は蒲郡市に本社工場を持つ。

日華化学は鯖江に本社工場、千葉県旭市に関東工場を持つ。
鹿島に非イオン界面活性剤を中心とした鹿島工場を建設する。非イオン界面活性剤は、現在、関東工場で生産しているが、東日本の生産拠点としての位置づけ、海外子会社への原料供給拠点としての将来性、今後計画していく新規事業に対応するための拡張性等を考慮し、工場移転を行なう。

青木油脂は大阪と滋賀に工場を持つが、鹿島に第3工場を立ち上げる。
同社では非イオン界面活性剤の主原料のEOやユーティリティ関係がパイプで供給されること、コスト競争力、鹿島港が近く原料の国際的な海上輸送基地としての利便性等がメリットとなるとしている。

 

 


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