松下電器、液晶パネル新工場の起工式

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松下電器産業は7月14日、姫路市飾磨区で液晶テレビ用パネルの新工場の起工式を行なった。
投資額は約3000億円で、尼崎市に建設中のプラズマパネル工場の2800億円を上回り、松下の薄型テレビ用パネル工場としては過去最大規模となる。

新工場の建設地は出光興産の兵庫製油所跡地で、敷地面積は48万平万メートル。松下が日立製作所などと共同出資している液晶パネル生産会社、IPSアルファテクノロジが建設する。
松下が投資額を全額負担し、松下主導で運営する。

ガラス基板には第8世代(2.2m×2.5m)を採用する。
シャープは新工場でより大きな第10世代を使うが、松下は30型台の中型パネルでは第8世代の方が生産効率が高まると判断している。
37型以上はプラズマ、それより小さいタイプは液晶とすみ分け、それぞれでコスト競争力を高める。
2010年1月の操業開始を目指しており、2013年のフル稼働時には当初計画の2割増しの年間1800万台分(32型換算)を生産する見通し。

参考 2007/12/5 シャープの「21世紀型コンビナート」  

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松下は2008年3月末に、日立子会社の日立ディスプレイズの株式24.9%を取得した。
2年以内をメドに、日立ディスプレイズが保有するIPSアルファテクノロジ株を含む大型液晶パネル関連事業を660億円で取得し、松下がIPSの経営権を握る。日立は10%を上限にIPS株の保有を検討する。

  出資者    出資比率
当初 2008/3 将来
日立ディスプレイズ 日立  100%  50.2%  
キヤノン   -  24.9%  過半数
松下電器   -  24.9%  
IPSアルファテクノロジ 日立ディスプレイズ   50%  50%   -
日立   -  -   10%
松下電器   30%  45%   90%
東芝   15%  -   -
その他    5%   5%   -

 

20071225日、日立製作所、キヤノン、松下電器産業は、液晶ディスプレイの事業、技術のさらなる強化、発展を目的に、包括的な提携を行うことで基本合意した。

日立の100%子会社として中小型液晶パネル事業を行っている日立ディスプレイズについて、日立からの株式譲渡により、キヤノンと松下がそれぞれ株式の24.9%を取得する。
次の段階として、3社は、今後、
・日立ディスプレイズについては、中小型液晶パネルユーザーとして多くのノウハウを持つキヤノンが過半数の株式を、
・IPSアルファについては、テレビ分野で世界トップクラスの松下が過半数の株式を、
それぞれ取得することも含めた資本構成の変更を予定している。

東芝は松下・日立連合を離脱、テレビ用の液晶パネルでシャープと提携する。
シャープが堺市に建設中の新工場からパネルを調達してテレビに組み込む。

2008年2月、日立と松下は上記包括提携について2社間の正式契約を締結した。

松下は、将来的に日立ディスプレイズが保有するIPSアルファの発行済株式全株を含む大型IPS液晶パネル付随事業を660億円で取得する。その際、日立は10%を上限にIPSアルファ株式を保有することを検討する。

日立は先端的な技術開発を加速し、また、セットメーカーとして、最先端の液晶パネルを活用した世界最薄の液晶テレビの開発や超薄型液晶テレビの競争力強化を図る。

松下は、主力とするPDP事業の一層の拡大・強化を図るとともに、IPSアルファの事業運営への関与を深め、日立グループと連携しながら松下が中核となってIPSアルファの新工場の建設を進めることで、液晶パネルの安定調達を図る。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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