ドイツの化粧品カルテルのケース

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ドイツの連邦カルテル庁は7月10日、談合と価格カルテルで化粧品会社に課徴金を課したと発表した。

課徴金は25万ユーロから210万ユーロで、合計は約10百万ユーロ。対象はChanelClarinsCosmopolitan Cosmetics Prestige(現在は P&G Prestige Products)、Coty Prestige LancasterEstee LauderL'OrealLVMH Parfums & Kosmetik資生堂YSL Beaute の9社のドイツ子会社とその役員。

カルテル庁によると、各社は1995年以来、年に4回集まり、販売数量、宣伝費、新製品、価格、利益などの多くの情報を互いに交換しており、これは競争を制限するもので、ドイツとEUの独禁法に違反するとしている。
(特に、どの会合で値上げを決めた、とは言っていない)

L'Oreal は談合に参加していたとするカルテル庁の主張を否定し、この決定を控訴するとしている。

化粧品協会では、事業者間のどんなコミュニケーションが違反で、どんなものが許されるのか、明確にしてほしいとしている。

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こちらは明らかな価格カルテル:

英国の公正取引庁(Office of Fair Trading はタバコのメーカー2社と多数の販売会社がタバコ製品の小売価格を違法に決めていたとして本年4月に摘発したが、7月11日、このうちメーカーの Gallaher (日本たばこが買収)と販売会社数社が早期決着を行なった。

公正取引庁によると、メーカー2社は販売会社に製品価格を同じように上げるよう指示をしていた。また販売会社は将来の値決めについて情報交換を行なっていた。

合計173.3百万英ポンドの課徴金を支払うが、数社にはLenicency (協力による減額)が適用される。
Gallaher の制裁金は約93百万英ポンド。

もう1社のメーカーはImperial Tobacco で、Gallaher Imperial で英国で売られるタバコの9を占める。

日本たばこでは「当社による買収前のGallaher社等における行為ではありますが、今回の英国公正取引庁からの指摘を重く受け取るとともに、今後とも、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります」としている。 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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