最近の原油事情

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ニューヨーク市場の原油先物相場 WTI原油価格は11日に一時過去最高の147.27ドル(終値は145.08ドル)となってから下降に転じ、15日には140ドルを割り、17日には130ドルを割って、25日の終値は123.26ドルとなった。

7月3日の終値としての過去最高145.29ドルからは22ドル強の下落となった。

15日は景気悪化懸念、16日は原油在庫の予想外の増加、23日からはドル高が下げの理由となっている。
商品投資規制の動きをにらんで、年金基金が原油先物への投資残高を減らしているのも影響しているという。

但し、このまま下がり続けるかどうかは分からない。

東京市場のドバイ原油、ナフサ価格は1日遅れでWTI価格の動きに追随している。

       
  7/11   145.08
   14   145.18
   15   138.74
   16   134.60
   17   129.29
   18   128.88
   21   131.04
   22   127.95
   23   124.44
   24   125.49
   25   123.26

原油価格高騰の理由の投機を抑える動きが広がっている。

北海道洞爺湖サミット首脳宣言では「エネルギー安全保障」のなかで、「商品先物市場の透明性向上に向けた各国当局間の更なる協力を奨励」がうたわれた。

  • 世界経済にリスクをもたらしている原油価格の急激な上昇を強く懸念。
    供給面では短期的には生産量及び精製能力の増強、中期的には上下流に亘る投資拡大努力が必要。
    エネルギー効率改善及びエネルギー多様化に向けた更なる努力が重要。
  • エネルギー安全保障を強化するため、エネルギー効率と新技術に焦点を当てたエネルギー・フォーラムの開催を提案。
  • 石油データ共同イニシアティブ(JODI)を引き続き強く支持。歪曲されない形の価格シグナルを発出し且つ政治的圧力を受けないエネルギー市場の重要性を強調。
    G8財務大臣による原油・一次産品価格高騰分析に関するIMF及びIEAへの要請を歓迎。

    商品先物市場の透明性向上に向けた各国当局間の更なる協力を奨励

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米上院ではCommodity Exchange Act の修正として、民主党のリード院内総務提案の「過度のエネルギー投機をやめさせる法案」(“Stop Excessive Energy Speculation Act of 2008”)が審議されている。

Commodity Exchange Act を石油製品や天然ガスにも適用するもので、米商品先物取引委員会 (CFTCCommodity Futures Trading Commission)に過度な投機をもっと厳しく監視させることとしている。

当初の法案では、証拠金率を現在の5-7%から25%に引き上げることが盛り込まれていたが、最終案では外された。
しかし航空会社などの実需に基づいたヘッジ取引は保護し、推進するが、現物受け渡しを伴わない過度な投機取引を制限するよう
CFTCに求める内容となっている。
投機筋に厳しいポジション上限を課すため
CFTCが有識者会議を開くことや、スワップディーラーやコモディティ指数トレーダーに取引内容のCFTCへの報告を求めている。
また、米国市場と同様の商品を上場している国外の取引所に対して、日々の取引情報の公開や米先物取引所と同様のポジション上限を課すことも盛り込まれた。

銀行など先物取引に関係する業界はこれに反対、航空会社やトラック業界は賛成していた。

しかし、共和党は環境保護地域での石油や天然ガスの掘削の拡大、西部のオイルシェール開発、原子力発電所新設など、多くの修正を求めて話し合いを望み、25日に審議打切り・投票動議を阻止した。共和党は今週の話し合い再開を望んでいる。

民主党側は、共和党は欲深な投機家を保護する一方、エネルギー危機を短期に解決する案を阻止したと批判している。
共和党はこれに対し、民主党案は火事のときに水鉄砲で消そうというものだとし、本格対策が必要だと反論している。

下院では今週、石油投機に関して同じような規定を折り込んだ法案が農業委員会で審議される。

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米商品先物取引委員会(CFTC)は24日、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物などの価格操作を行った疑いで、オランダのファンドOptiver Holding とそのシカゴ部門を提訴した。

2007年3月に原油・ガソリン・ヒーティングオイル先物取引で価格操作を行い、約100万ドルの利益を得た疑い。
一般的には大きすぎて操作できないとされるエネルギー市場で、短期間ではあるが、価格の操作を行なった。

また、役員がNYMEの担当者に嘘をついて隠蔽したことも容疑に加わった。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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