BASFは2007年7月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。
効率的な最適化対策と、戦略の微調整により、BASF のスチレン事業の業績は大幅に向上しているが、収益性を適切な水準とするためには、さらなる見直しが求められているとし、他のオプションとともに事業売却も検討するとしている。
同社は2007年8月の第2四半期の業績発表の席上、 スチレン事業の一部の売却に関して、買い手候補のある1社と極めて建設的な交渉を行っていることを明らかにした。
この交渉相手がBasell (元 BASF/Shell の50/50JV)であると伝えた新聞もあった。(現在の交渉相手は不明)
売却対象はコモディティのSM、PS、ABS、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)であった。
2007/8/6 BASF、スチレン事業一部の売却交渉進展
BASF は2008年1月1日に組織改正を行なった。
Plastics部門では、Styrenics の売却を前提に、Styrenics のなかで売却対象外のSpecialty Plastics とFoams をStyrenicsからPerformance Polymersへ移動した。
2007/12/12 BASF の組織改正
BASFは2008年2月に、売却交渉が進んでおり上半期中に決定するだろうとしていたが、結局妥結しなかった。
金融情勢の悪化で、買い手が自己資本を増やす必要が出たこと、金利の上昇などが理由で、BASFでは無理に安売りする必要なしとしている。
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BASFは8月18日、スチレン部門売却準備を更に進めることを決めた。
2009年1月付けで売却対象事業を子会社(複数)に分離する。
また、これまで対象外としていたスチレンコポリマー事業を分離対象に加える。ドイツのLudwigshafen、Schwarzheide 両工場のコポリマー生産プラントとグローバルな販売流通組織が新しく分離対象となる。
BASFに残るFoams (発泡PS)事業はPerformance Polymers division に帰属する。
BASFでは今回の再編は、スチレン事業の将来の成功を推し進めるとともに、BASF外でのオプションをBASFに与えるとしている。
この結果、新しい子会社(複数)は以下の体制となる。
製品
・Commodities :
SM
PS
ABS
SBS (スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)
・コポリマー:
Luran® (SAN) :スチレン/アクリロニトリルコポリマー
Luran® HH (AMSAN):α-Methylstyrene-acrylonitrile copolymers
Luran® S (ASA):styrene acrylonitrile copolymers
that have been impact-modified with acrylic ester rubber
Terblend® N (ABS/PA):ABS/Polyamide 6
Terluran® HH (ABS-High Heat):modified ABS that meets
the requirements for thermally stressed components)
Terlux® (MABS):MMA-acrylonitrile- butadiene-styrene-polymer
Styroflex® (SBS): Styrene/butadiene block copolymer
製造基地
Antwerp, Belgium
Ludwigshafen and Schwarzheide, Germany;
Altamira, Mexico
São José dos Campos, Brazil
Dahej, India
Ulsan, South Korea
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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