中国石油、CDM事業で中国初の排出権取得

| コメント(0)

中国石油天然気集団公司(CNPC=PetroChina)は8月19日、同社子会社の遼陽石化公司の亜酸化窒素(N2O)削減プロジェクトがこのほど、国際クリーン開発メカニズム(CDM)の基準を通過し、中国で初めてCO2排出権の取引が認可されたことを明らかにした。

CDM理事会はPetroChina に100万t 弱の排出権を売却することを認めた。
カナダの
NAM とGoldman Sachs が排出権を購入する。

亜酸化窒素(N2O)は笑気ガスとも呼ばれ、「京都議定書」の削減対象となっている6種類の温室効果ガスの一つ。
N2Oの温室効果は二酸化炭素(CO2) の310倍といわれる。

遼陽石化は年間4万トン以上のN2Oを放出していたが、排ガス削減装置を設置後はN2Oを酸素(O2)と窒素(N2)に分解でき、 CO2に換算すると年間1,000万トン分の削減が見込まれている。

PetroChina200612月にBASFからN2Oの排出削減技術の供与を受けた。契約金額は明らかにされていない。

同社はこれを遼陽石化のアジピン酸工場に導入、本年3月に完成し、稼動した。
同工場のアジピン酸能力は14万トンで、これまでは
年間4万トン以上のN2Oを放出していた。

ーーー

クリーン開発メカニズム(CDM)は通常は先進国企業が開発途上国でプロジェクトを行い、排出権を取得するもの。
また「共同実施」(J1)は先進国での共同のプロジェクト。

今回は中国(途上国)企業が中国(途上国)で単独で行うもの。(BASF技術だが、PetroChinaはこの技術を購入して自社のプロジェクトとして実施した。)

CDM:クリーン開発メカニズム(対 途上国)  J1:共同実施(対 先進国)

付記

韓国の中央日報によると、韓国の水資源公社は8月初め、オランダのABNアムロ銀行に1億7000万ウォン(約1,719万円)分の二酸化炭素排出権を販売した。

2007年に、安東ダム、長興ダム、城南浄水場から水力発電で得た電気1万3,463メガワット時が国連で温室効果ガス削減の実績と認められたもの。

海外企業との共同事業では既に、日本のイオネスと韓国Foosungが共同で蔚山ハイドロフルオロカーボン(HFC)分解事業を通じて二酸化炭素(140万トン)を削減し、排出権をイオネスに販売、エネルギー管理公団はフランスのローディア社と一緒に温山N20削減事業で二酸化炭素(915万)トンを削減し、フランス企業に販売している。


 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ