中国、独占禁止法施行

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中国の反壟断法(独占禁止法)が81日施行された。

昨年8月30日、全国人民代表大会の常務委員会は反壟断法案を採択した。

    2007/9/3 中国、独占禁止法を採択  

主なポイントは以下の通り。

反壟断委員会の設立(公正取引委員会に相当) 

競争関係にある事業者の間で、以下の協定は禁止
 ・価格の維持や変更
 ・生産や販売量を操作
 ・新技術や新設備の導入を制限

行政権を乱用して競争を排除してはならない

支配的立場の乱用を禁止
 ・不公正な高値販売や不公正な安値購入
 ・原価を下回る価格で販売
 ・正当な理由無く取引先との取引を拒絶
 ・抱き合わせ販売

合併・買収では以下の点を審査
 ・市場シェアや市場への支配力
   市場独占の判断基準=1社で5割、2社で2/3、3社で3/4以上のシェア 
 ・国民経済や消費者への影響
 ・
国家安全への影響(外資の場合)

イノベーションや技術強化を促進する場合は独占を承認
   
産業政策との整合性も考慮

違法企業には最高で前年度の売上高の10%の罰金

 

8月1日施行時点でも独禁法のガイドラインは公開されておらず、どう運用されるかは不透明のままである。

執行機関は中国国家発展改革委員会、商務部、工商行政管理総局となっており、縦割り行政の弊害が懸念される。

反壟断委員会(公正取引委員会に相当)もギリギリまで設立されなかったが、8月1日の施行日当日になって、設立が発表された。

委員会は国務院直属の組織で、業務は、独占禁止政策の調査、市場動向のモニター、執行機関間の政策の調整となっており、独占禁止や合併承認のガイドライン作成も担当する。

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合併ではBHP Billiton Rio Tinto 買収が取り上げられるのではないかとみられている。

独禁法では国内の競争を制限する独占は、国外での合併でも規制の対象となるとしており、BHP Billiton 7月初めに商務部に申請を行なっている。

中国の鉄鋼業界では、鉄鉱石は現在3社の独占となっており、このうちの2社が合併すれば、大きな影響を受けるとしている。

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中国最高裁は730日、各裁判所に対し、独禁法を注意深く検討し、法を守るよう、指示した。

独禁法は極めて専門的で、経済問題と法問題が複雑に混じっており、企業や産業に大きな影響を与えるとし、独禁法の規定は抽象的で原則を述べているため、具体的な事件では裁判所が問題に直面するとしている。

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中国で独占禁止法が施行されたのを受け、北京のIT(情報技術)関連企業の4社が行政上の権利を乱用して市場競争を阻害する「行政独占」などを理由に中国当局を提訴した。

訴えられたのは、政府機関の国家品質管理検査検疫総局で、訴えたのは、北京兆信信息技術有限公司、東方惠科防偽技術有限責任公司、中社網盟信息技術有限公司、恆信數碼科技有限公司の4社。

同局の傘下企業の商品認証システムへの強制加入は、独禁法の行政独占に当たるとして、北京市第一中級人民法院(地裁)に提訴した。

独禁法では、行政権を乱用して競争を排除してはならないとし、行政機関の市場競争の阻害も違法と定めている。

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日本経済新聞によると、企業側は同法に抵触する恐れがある行為を相次いで取りやめ始めた。
メーカーは販売店に対し価格拘束と疑われる行為を中止し、業界同士の会合も慎重に行うよう改めた。スーパーはメーカーなどに対する優越的地位の乱用を疑われそうな行為をやめている。

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付記

中国国務院は8月4日、M&Aに関するガイドラインを発表した。

事前審査対象は以下の通り。
1) 参加社の前会計年度の全世界売上高の合計が100億元(約14億ドル)を超え、少なくとも2社の中国での売上高がそれぞれ4億元を超える場合、又は

2)参加社の前会計年度の中国での売上高の合計が20億元を超え、少なくとも2社の中国での売上高がそれぞれ4億元を超える場合

草案での中国国内の市場シェアは削除された。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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