OPECは9月9日定例総会を開き、10日未明、日量約52万バレルの実質的な減産を決めた。
生産枠は、原油輸入国に転落しOPECから離脱したインドネシア分を除く11カ国で日量2,880万バレルを据え置く一方で、加盟国に生産割り当ての順守を徹底、「ヤミ増産」分を40日以内に削減する。
これにより今年7月の生産量実績比で52万バレルの実質削減を見込む。
今年の春から夏にかけて原油高騰に悩む消費国の要請に応え、サウジアラビアが合計で日量50万バレルの増産を決めたことなどを受け、OPECの実質生産量は今年7月に同2,930万バレル程度まで上昇していた。
OPEC生産枠 1,000b/d (Iraq を除く)
2007/2 2007/11 2008/1 2008/9 Algeria 794 1,357 1,357 1,357 Indonesia 1,370 865 865 ー Iran 3,788 3,817 3,817 3,817 Kuwait 2,065 2,531 2,531 2,531 Libya 1,371 1,712 1,712 1,712 Nigeria 2,123 2,163 2,163 2,163 Qatar 663 828 828 828 Saudi 8,399 8,943 8,943 8,943 UAE 2,257 2,567 2,567 2,567 Venezuela 2,970 2,470 2,470 2,470 Angola ー ー 1,900 1,900 Equador ー ー 520 520 Total 25,800 27,253 29,673 28,808 (増減) (-500) (1,450) (2,420) (-865)
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OPECは定例総会で、インドネシアの申請を受け、同国の加盟停止を正式に決めた。
インドネシアが早期復帰することへの期待も表明した。
同国はスハルト政権下の90年代半ばには日量150万バレルを超えていたが、原油生産量が下降の一途で、最近は100万バレルを下回り、2004年に純輸入国に転じた。
今年5月、OPECからの脱退を正式に発表した。
加盟国はこれで12カ国となった。
OPEC加盟国 (2008/9 現在)
加盟年 離脱 現メンバー 60 61 62 67 69 71 73 75 07 イラク ○ ◎ イラン ○ ◎ クウェート ○ ◎ サウジアラビア ○ ◎ ベネズエラ ○ ◎ カタール ○ ◎ インドネシア ○ 08 リビア ○ ◎ アラブ首長国連邦 ○ ◎ アルジェリア ○ ◎ ナイジェリア ○ ◎ エクアドル ○ 93 ◎ ○ ガボン ○ 95 アンゴラ ○ ◎ 加盟国 5 1 2 1 1 1 1 1 2 3 12 合計15(実質14) 実2
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9月9日のニューヨーク原油先物市場でWTI原油は、OPECの生産据え置き予測に加え、景気減速による需要鈍化懸念、ハリケーンの勢力緩和などで大幅に下落、終値は前日比 3.08$安の103.26$/bbl となった。
10日はOPECの実質減産の発表や、週間石油在庫統計(原油在庫、ガソリン在庫とも予想以上の減少)発表などで値上がりしたが、その後売り優勢となり、10月限は一時101ドル台前半まで下落、終値は102.58ドルとなった。
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