スイスの新聞は、スペシャルティケミカル会社 Clariant がCEO交代後に分割されると伝えた。ソースは明らかにしていない。
同社は
①Textile, Leather & Paper Chemicals、
②Pigments & Additives、
③Masterbatches、
④Functional Chemicals
の4部門から成るが、報道によると、①のTextile, Leather & Paper Chemicals は投資会社に、②のPigments & Additives は競争相手に売却され、③と④だけが残る。
その場合、売上高は半減する。
2007年実績 (単位:百万スイスフラン) | |||||||||||||||||||||
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1スイスフラン≒ 0.9US$ |
本年9月4日、同社は10月1日付けのCEOの交代を発表した。
2006年に就任したばかりのJan Secherが退社し、Dr. Hariolf Kottmann が就任する。
Jan Secher は7月に事業買収をしたいとしていた。
分割案は新CEOのDr. Kottmann の考えによるもので、場合によっては会社全体の売却もあるとみられている。
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同社は Sandoz の化学品部門が1995年にスピンオフして出来た企業で、Sandoz そのものは1997年にCiba-Geigy と合併し、生命科学に特化したNovartis となっている。Clariant は1997年にHoechst の化成品部門を買収している。
同社は2006年11月にリストラ構想を発表した。5億スイスフラン(500億円弱)を投じて、工場を10%減らし、2200人の減員を行い、製品数も最低25%減らし、これにより長期の利益ある成長を図るとした。
これに基づき、5番目の事業である Life Science Chemicals の受託製造ビジネスを2007年5月に International Chemical Investors Group に売却している。(中間体ビジネスはFunctional Chemicalsに統合)
2006/11/23 Clariant 、リストラ構想発表
しかし、これだけでは不十分と見て、今回の案が出たと思われる。
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上図で見るとおり、同社は事業の売却を続けている。
クラレにPVA/PVB、信越化学にセルロース、その他
このほか、Hoechstのスペシャルティ事業を統合した際に受け入れた吸水性樹脂事業をBASFに売却している。
但し、縮小均衡ではやっていける筈はなく、全体の売却の可能性も大きい。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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