9月12日のニューヨーク原油先物市場でWTI原油が一時99.99ドル/バレルと、4月2日に一時100ドル割れして以来、5ヶ月ぶりに100ドルの大台を割った。終値は101.18ドル。
14日(日曜)午前の時間外取引では更に下がり、一時98.84ドルまで下がった。
投資ファンドが原油市場から離れる中で、各国の景気低迷での需要減予想で下落した。
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付記
週明け15日(月曜)は、リーマン・ブラザーズの破綻で信用不安による世界的な景気悪化懸念が台頭。原油需要が減少するとの見方から2月中旬以来となる95ドル割れを記録、終値は先週末比で5.47ドル安の95.71ドルとなった。
その後の時間外取引では一時、91.56ドルまで下がった。 HTML clipboard
原油価格は昨年10月上旬に上昇を始め、本年2月中旬まで、90ドルと100ドル寸前の間で上下した。
昨年12月31日の終値は95.98ドルであったが、本年の初取引の1月2日に一時100.00ドルとなった。(終値は99.62ドル)
これは個人で取引会社ABSを経営するRichard Arens が「後世に名を残したい」と1,000バレル(最低取引単位)を100$/バレルで購入したもの。
その後、99.40ドルで売却したため、600ドルで名を残したことになる。
翌1月3日にも一時100.09ドルを付けたが、終値ベースでは2月19日の100.01ドルが最初となる。
ところで、日本経済新聞報道によると、今回の100ドル割れも、ABSのRichard Arens の1,000バレルの売り注文によるものとのこと。
現在のところ、年初来の平均は114.20ドルとなっている。
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化学業界にとっては、ここにきての原油価格下落は好ましいものではない。
確かに最近は原油価格が上がり過ぎ、需要家が最終需要家に価格を再転嫁できず、需要の減退につながる事態にまでなったが、これまでは中国の需要の増大により需給が逼迫し、国際市況が上がったため、国内需要家に原油価格上昇分を転嫁でき、石化メーカーの業績は急速に好転した。
中国バブルがはじけつつあるため、国際市況は原油価格下落幅以上に下がるのは必至である。
その中で国内価格も、各社が減産に転じた今、原油価格の下落以上の下落につながり兼ねない。
過剰能力下で過当競争に走った1990年代の苦難の時代に戻る可能性が強い。
いつまでも「ガラパゴス鎖国」を続けるわけにはいかない。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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