ベネズエラの国営石油会社(PDVSA)は9月19日、日本や米国、イタリア、ロシアなど7カ国10社の企業と天然ガス開発や液化、輸送事業(Delta Caribe Oriental LNG Project)で協力する覚書を交わした。
調印式に出席したチャベス大統領は「2012年にガス生産量を現状の63億立方メートルから115億立方メートルに引き上げる」と述べた。
ベネズエラでは現在、沿岸2箇所(① Plataforma Deltana、② Mariscal Sucre)で天然ガスの開発を行なっている。
前者①はPDVSA とChevron、後者②はPDVSA単独で行っている。
今回調印したのは、 三番目のBlanquilla 島及び Tortuga 島付近でのガス開発のコンソーシアム結成と、3箇所のガスをそれぞれ、Cigma 液化基地に輸送して3系列のLNG設備を建設する契約で、投資額の合計は196億ドルに達する。
①②からのLNGの輸出は2013年に、③は2016年に始まる予定。
各計画への参加者は以下の通り。
米国のChevron
カタールのQatar Petroleum
アルゼンチンのEnarsa
ロシアのGazprom
イタリアのEni
ポルトガルの Galp と EDP
日本の三井物産/三菱商事のチームと伊藤忠
三井物産/三菱商事のチームは①と②のLNG計画に、伊藤忠は②のLNG計画に参加する。
ガス開発 |
LNG | |||
①Plataforma Deltana's block 2 | PDVSA 61% Chevron 39% |
PDVSA 60% Portugal's Galp 15% Chevron 10% Qatar Petroleum 10% Mitsubishi-Mitsui 5% |
US$6.4bn | |
②Mariscal Sucre field | PDVSA | PDVSA 60% Portugal's Galp 15% Argentina's Enarsa 10% Mitsubishi-Mitsui 5% Itochu 10% |
US$5.2bn | |
③Blanquilla and Tortuga | PDVSA 20% Gazprom 30% Petronas 20% Eni 20% Portugal's EDP 10% |
US$700mn | PDVSA 60% Gazprom 15% Petronas 10% Eni 10% Portugal's EDP 5% |
US$7.3bn |
新しい③の計画では、採掘したガスはMargarita島を経由してCigma のLNG設備に運ばれる。
Chavez 大統領は大統領宮殿での調印式で、「歴史的な出来事だ」と述べた。
大統領はまた、Chevron の参加を感謝、賞賛し、同国は米国とのよりよい関係を歓迎すると述べた。
ベネズエラは石油の国有化を決め、各石油会社は国営石油会社 PDVSAと条件交渉を行なった。
Chevron、Total、BP、Statoil、HydroはPDVSAの条件を呑み、Minority partner として操業を続けることとしたが、ConocoPhillips とExxon Mobil はこれを拒否し、争っている。(ConocoPhillips は最近、合意に近づいたとしている)
関連記事 2008/2/20 速報 WTI原油価格 過去最高値更新
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
コメントする