WTI原油取引で相場操縦の疑い

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米商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading CommissionCFTC)は取引開始以来の上昇幅を記録した9月22日のニューヨーク原油先物相場に不自然な動きがあったとして、相場操縦の疑いで調査を始めた。

WTI原油価格は22日が最終売買日であった10月物は一時、130.00ドル/バレルまで急騰、終値も120.90ドルとなった。

米政府による金融危機打開策への期待感で需要減少観測が後退したというのが理由。

前週末の19日終値(104.55ドル)と比較し、最高値では25ドル、終値でも16ドル強の値上がりで、取引開始以来の上昇幅を記録した。
9月16日の一時安値 90.51ドルと比較すると、22日の最高値は実質4日で40ドル弱もの上昇となる。

取引量が9月初旬のピーク時の1割弱まで落ち込むなか、相場が下がると予想して10月物を売っていた金融機関が、予想に反し相場が上昇したため、買い戻しを急いだことから、更に高騰した。

清算が1ヶ月先の11月物の終値は109.37ドルで、10月物の価格は異常であると言える。

23日、24日は、金融市場の救済策が成立したとしても需要減は続くとの見方で、続落した。
24日発表の米エネルギー情報局(EIA)が発表した米週間石油在庫統計では、原油在庫は150万バレルの減少となっており、市場予想(250万バレル減)ほどは減少していない。石油在庫と同時に発表される製品需要は減少基調が続いており、需要の弱さが再確認された。

CFTCでは、10月物の異常な値上がりについて、原油先物価格をつり上げた参加者がいないか、NYMEXに取引情報の提出を求めた。

CFTCの法務部門では、「誰か違法な市場操作をしていないか、調査を行なう。先物市場をおもちゃにするのは許せない」としている。
CFTCは誓約した上での証言や、最近の取引資料情報の提供を求める。


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