三鹿集団では、今回の汚染粉ミルク回収量は1万トンを超え、損害賠償額は7億元以上に達する見込み。患者の治療費については責任者として支払いの義務があり、負担は巨大で、破産に追い込まれる可能性がある。
同集団の流動資金はすべて粉ミルクの回収費用と損害賠償に回され、取引銀行は資金貸付を行わないだけでなく、過去の貸付金の返済を要求してきた。
2008/9/29 中国粉ミルク汚染事件のその後
北京三元食品(Sanyuan Food)は9月26日に出した公告の中で、関連部門から三鹿集団の合併買収に向けた協議を行うべきとの指示を受けたことを明らかにした。
同じく汚染粉ミルク問題で揺れる伊利集団と蒙牛集団の株価が市場で下がり続ける一方、三元食品は製品からメラミンが検出されていないことから、株価が大きく値上がりした。同社の乳製品も売れ行きが伸びている。
しかし最近の報道では、三元食品が進めていた三鹿集団の買収案件は、条件面の交渉で大きな食い違いが生じたため、暗礁に乗り上げた。
三鹿側は債権・債務の全面的買い取りを三元側に要求していたが、三元側は三鹿の優良資産にしか興味がなく、三鹿の要請を受け入れなかったという。
三元にとって、三鹿の粉ミルク製造ラインや牛乳製造ライン、全国粉ミルク市場でのルート、従業員などは、三元が全国粉ミルク市場のさらなる開拓を進める上でプラス資源となるが、汚染粉ミルク事件で三鹿が支払うべき賠償金は7億元を超えており、三元にとっては巨大な圧力となる。
両企業とも協議を継続する意向はなく、政府が介入しなければ、破談となる。
別途、ダノンと争っているワハハが三鹿集団に関心を持っている。
ダノンとワハハの抗争はまだ収まっていない。
2008/4/28 ダノン/ワハハのその後
ワハハの宗会長は最近、同社が粉ミルクのための国内サプライチェーンを樹立したいと述べた。
同社のミルクドリンクは輸入粉ミルクを使用しているが、価格が高騰しているため。
同氏は中国のミルク需要は旺盛で、同社は三鹿の操業を復活させる自信があるとしている。
アナリストの間では、いかにワハハでも三鹿の悪評を覆すのは無理だろうという説と、これに期待する説に分かれる。
ワハハのダノンとの抗争に結びつける向きもある。
地方政府は仕事とサプライチェーンの維持に腐心しており、これに協力することで点数を上げるのを狙っているのではというもの。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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