武田薬品工業
武田薬品の中間決算は前年同期比で増益となったが、損益は大幅減益となった。(但し、当初予想よりは増益)
配当は4円増配し、年間配当予想は176円とした。
単位:百万円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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* 当初予想は2008/5/9 |
同社は Abbott Laboratories との50/50JVのTAP Pharmaceutical Products Inc.の会社分割を実施し、TAPの販売機能を武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカに、開発機能を武田グローバル研究開発センターに移した。
また、米国バイオ医薬品会社 Millennium Pharmaceuticals, Inc. を買収した。
2008/4/4 武田薬品工業、米国事業再編
両社の子会社化により、両社の売上高が本年5月から武田の連結売上高に加わった。
円高による影響額(280億円の減収)を補い、増収となった。
この米国事業再編に伴い、多額の無形固定資産と「のれん」の償却や、仕掛中の研究開発費(インプロセスR&D)が発生、これらを上期に費用処理したため、一時的な費用 2078億円が発生した。
これを除くと、営業損益は前期比増益となる。
経常損益は買収に伴う米国の手元資金の大幅減と金利低下により受取配当が減少するなどで、実質ベースでも減益となった。
なお、TAPの分割によるルブロン事業の譲渡益を上期の特別利益に計上した。
米国事業再編によるTAP社の分割・子会社化およびミレニアム社買収の影響 | |||||||||||||||||||||||||||||
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なお、同社は2007年3月期に、移転価格税制に基づく更正処分に関する追徴税 571億円を計上した。
TAP Pharmaceutical Products との間の2000年3月期から6年間の製品供給取引等に関して、米国市場から得られる利益が武田に過少に配分されているとして、移転価格税制に基づき、追徴課税を受けたもので、同社は異議申し立てを行っていた。
この期間のTAPは利害の反する武田薬品とAbbott との50/50JVであり、大阪国税局の課税はおかしい。
2006/6/29 武田薬品、移転価格税制に基づく更正
しかしながら、今回、分割後のTAPは武田薬品の100%子会社となるため、移転価格税制が適用される。
このため、同社は取引価格について、関連企業間取引の価格設定の妥当性について事前に税務当局に確認を受ける制度である「事前確認」を申請、上記課税について、国税庁に対し、米国との相互協議申立書を提出した。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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