BASF、全世界で減産

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BASFは19日、需要の激減を受け、過剰能力となることを避けるため、世界の80 程度のプラントを停止し、更に100 程度のプラントで減産すると発表した。PSとカプロラクタムについては既に発表されている。

主に自動車、建築、繊維産業向けの事業で実施する。 

BASFの本拠地 Ludwigshafen の40のプラント、北米の10プラント、アジアの15プラントなどが停止される。北米ではディスパージョン製品とTDIを生産するGeismar (Louisiana)Freeport (Texas) なども停止される。Port Arthur (Texas) のエチレンプラントは減産となる。

10月末から主な市場で状況が一変、需要が激減した。特に自動車業界の需要家が突然に注文をキャンセルしているという。
また、需要家が在庫を減らしていることや、需要家の与信問題も販売減につながっているとしている。

減産により、世界中で2万人の従業員に影響が出る。出来る限り残業減や休暇などにより労働時間を柔軟にすることで対応する。
本社工場では組合との間でこの旨の協定を結んだ。

減産はとりあえず来年1月まで行い、需要低迷が続けば、その後も継続する。

この結果、BASFでは2008年は前年の利益は達成できないと認めた。
今後、コストダウンを徹底する。またCibaの買収・統合を急ぎ、事業の最適化を進める。

同社が進めていたスイスのCibaTOBの結果、94.59%を買収した。

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BASF20077月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。

同社は20078の第2四半期の業績発表の席上、 スチレン事業の一部の売却に関して、買い手候補のある1社と極めて建設的な交渉を行っていることを明らかにした。

BASFは本年2月に、売却交渉が進んでおり上半期中に決定するだろうとしていたが、結局妥結しなかった。

BASF818日、スチレン部門売却準備を更に進めることを決めた。
スチレンコポリマー事業を分離対象に加え20091月付けで売却対象事業を子会社に分離する。

2008/8/20 BASF、スチレン系事業の売却準備 進める 

しかし、同社は11月22日、買い手が見つからないため、スチレン部門の子会社分離を取り止めると発表した。
今後、この事業をどうするか、再検討する。

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BASFは昨年来、大規模買収を検討してきた。

化学業界は更なる集約が必要であるとし、最近はM&Aの資金確保が困難となったため買い手が減っており、買収のために100億ユーロの新規借入が可能な同社にとってチャンスであるとしていた。

2007/9/20 BASF、新しい買収?

BASFは27.7億ドルでのCiba買収をおこなったが、BASFの首脳部は先週、市場の将来がもっとはっきりするまで、買収を延期すると述べた。

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BASFの減産発表に続き、各社が減産の検討を明らかにしている。

Dowは年末までにリストラ計画を発表する。


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