Ineosはこれまで、EVC、Innovene などを次々買収して拡大してきた。
同社の創業者で会長を務めるのJim Ratcliffe はIneosを担保にして金を借りるという形で、他の事業を買収していった。
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2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社
同社は過去10年で、BASFとDowに次ぐ世界第三位の石油化学会社となった。
現在、20カ国以上で18の事業を行なっており、従業員は16,000人に達する。
同社は equity fund には頼らず、借入金により大きくなった会社である。
BPからの Innovene 買収は90億ドルで、ほとんどが長期借入金で賄った。
昨年の講演で、Ratcliffe会長は、10年の期間の高利のボンドを利用しており、借り入れ期間中は金利の支払いのみであることを明らかにしている。
今回の金融危機は当然予想していなかったもので、同社の経営に大きな影響を与える。
金融危機に加え、実体経済にも悪影響が出ており、特に、Ineosが買収したEVCとHydro のPVCは、住宅不況の影響で非常に苦しい状況にある。
このため同社が借入金返済のため、米国の多くの資産売却を検討しているという情報が広く流されている。
少なくとも、拡大路線は変更せざるを得ない状況にある。
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同社は11月3日、異例の発表を行なった。
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INEOS - Adapting in turbulent times
最近メディアでいろいろ推測記事が出ているが、Ineos はこれまで銀行との契約を守らなかったことはない。
この3年間に借入金を大きく減らしており、近いうちに返済期限がくる借入金はない。2005年のInnovene 買収以降、10億ポンド以上の借入金を返済した。9月末のキャッシュ残高は13億ポンドに達する。
化学産業のサイクルは底にあるが、会社は全事業が利益を上げている。但し、現在の経済情勢のもと、多くの他の企業に歩調を合わせ、重要でない投資計画は再検討している。
全事業にわたり、コストを低減し、効率を高めており、グローバル市場で十分戦っていける。
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なお、同社はこのたび、テキサス州La PorteのPP工場の停止を決めた。
合計235千トンで、1系列は本年末、他の1系列は来年1月末に停止、他のプラントから供給を続ける。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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