三菱化学 水島で火災事故

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11月14日午前0時10分ごろ、三菱化学水島事業所内の日本ポリプロのプラント(100千トン)で火災が発生した。けが人や建物への延焼はない。

同プラントの直径5センチのパイプから、ノルマルヘキサンとトリエチルアルミの混合触媒が漏れて発火したとみられる。漏出個所から約60~80センチの炎が断続的に出た。
<p><p><p>HTML clipboard</p></p></p>放水すると火勢を強めるため、<p>HTML clipboard</p>パイプの両端を遮断して自然鎮火を待ち、同日午後8時前に火は消えた。

日本ポリプロは日本ポリケム65%/チッソ35%のJVで、2003年10月1日に営業開始した。

日本ポリケムは三菱化学65%/東燃化学35%のポリオレフィン統合会社であったが、PEに関して日本ポリケムが日本ポリオレフィン(昭電/日石化学)との再統合(日本ポリエチレン設立)をするに当たり、東燃化学が別途出資する日本ユニカーが独禁法上の障害となったため、三菱化学が東燃化学の持分を買い取った。

この結果、日本ポリケムは三菱化学100%出資となった。

同社は水島のほか、千葉(チッソ)、四日市(チッソ)、鹿島(三菱)、川崎(東燃化学内)にプラントを持ち、PP合計能力は1,082千トン。

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三菱化学は10月8日、水島事業所内をパトロール中の作業員が、エチレンプラント(年産能力45万トン)付近で異常な“におい”に気づいた。
直ちに停止して臨時点検したところ、冷凍機の配管溶接部分にひび割れが見つかったため、配管の交換工事を行なうことを決めた。

10月22日夜に運転を再開したばかり。

同社のエチレン生産能力
水島事業所   450千トン
鹿島事業所 第1プラント   375
第2プラント*   453
合 計  1,278
* 全8炉中、第8号炉を除く7つの分解炉の能力。8号炉まで含めた能力は476千トン。

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三菱化学鹿島事業所では2007年12月21日に、第2エチレンプラントで火災事故が発生し、協力会社従業員4名が亡くなった。

    2008/3/17 三菱化学鹿島事業所火災事故 事故報告書 

2008年3月5日に第2エチレンの8基の分解炉のうち5基が、5月15日に6号炉が、9月12日に7号炉が停止命令の解除を受け、操業を再開したが、残る8号炉については再開の目途は立っていない。

経済産業省原子力安全・保安院は本年2月、三菱化学に対して、鹿島事業所の高圧ガス保安法に基づく完成検査及び保安検査に係る認定を取り消す行政処分を行っている。


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