11月15日午後1時20分ごろ、福島県会津若松市河東町の昭和電工・東長原事業所で、ホスゲン漏洩の検知器が作動した。
ホスゲンの漏出があったのは、事業所のほぼ中央にあるホスゲンの合成室と貯蔵室の付近とみられる。
ガス濃度は最高で 0.3ppmを記録。警報作動で室内の機械設備が自動停止し、濃度は1時間後にゼロになった。
同社では近隣の住民に広域放送や緊急電話等で知らせ、屋内に入って窓や戸を閉めるよう呼び掛けた。
けが人や体調不良を訴えている人はいない。敷地境界の検知器はホスゲンを検知していない。
同社は「漏出量は微量で人体に影響はない」と説明。詳しい原因を調べている。
東長原事業所では本年8月にもホスゲンの流出事故があった。
同事業所は大気汚染防止法に基づき福島県から施設改善の措置命令を受け、再発防止策を提出。10月31日に操業を再開したばかりだった。
昭和電工では「当社は、去る8月9日にホスゲンを漏洩させており、今回、再び漏洩させてしまったことにつきまして誠に申し訳ございません。今後、原因究明の上、徹底的な安全管理策を講じてまいります」と陳謝している。
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8月9日午前6時ごろ、従業員12人と正門前の商店の女性の計13人が気分不良を訴えた。
10人が市内の病院に搬送され、残る3人が自力で病院に向かったが、いずれも軽症。
ガス濃度測定警報器のアラームが鳴り、ホスゲン流出が判明した。
事業所の敷地外では有毒ガスは検出されていないが、市は周辺の約50世帯に自主避難を要請した。
同社によると、事故当時、入社5年目の男性従業員が1人でホスゲンを無害化する作業にあたっていた。
新商品の塗料用特殊添加剤を製造する過程で、アクリル酸とホスゲンの化学反応後、残ったホスゲンを棟外に隣接した除害塔に送り、カセイソーダの液体を使って無害化する作業にとりかかったが、閉めるバルブの手順を誤ったという。
アラームが鳴った後、別の従業員がバルブを閉め直した。
同社では「当社といたしましても原因究明を進めるとともに、安全管理を徹底し再発防止に努めてまいります」としていた。
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