化学業界で生産調整 (Dow, DuPont)

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ダウは自動車や他の消費財の需要の激減を受け、主力のテキサス州Freeport 工場で減産を行い、契約工をレイオフする。地元紙が伝えた。

工場では12月15日から1月5日までコンプレックスの生産を35%に落とし、メンテナンス及び操業の契約工約4000人のかなりをレイオフする。
一部のプラントはフル稼働するが、完全停止するプラントもある。
フルタイムの4500人の従業員はレイオフされないが、非重要部門の従業員には減産期間中、自宅勤務や休暇を取るなどを求める。
需要に対応した人員で操業を行なう考え。
1月5日以降どうするかは今後考えるとしている。

Texas City工場についても同様の措置を取る模様。

Freeport工場は、エチレン 155万トン、プロピレン 58万トン、LLDPE/HDPE 25万トン、LDPE 30万トン、MEG 42万トン、SM 64万トンの能力を持つ。

Texas City工場は、VAM 33万トン、プロピレン 7万トンの能力を持っている。
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付記   

ダウは12月8日、現下の経済情勢に鑑み、「変身戦略」を加速するための合理化策を発表した。
   
来年1月付けで、約5000人のフルタイムの社員を削減、高コスト地区の20のプラントを閉鎖、いくつかの非戦略事業から撤退する。
人員削減は全世界の従業員の約11%に達する。
これらの施策がフルに実施されると、2010年までに年間営業コストを8億ドル削減することとなり、ロームアンドハース合併での8億ドルのコスト面でのシナジーに加算される。
   
更に、現在の製品市場の状況を勘案し、一時的に180のプラントを休止し、世界で約 6000の契約社員を減らす。
   
変身戦略では、現在の中央集権的な組織から、小さな本社の下での次の3つの異なるビジネスモデルでの運営に変える。
    1)JV・アセットライト=石化事業
       石化事業をJV化し、資本負担を減らす。
    2)機能製品事業
    3)健康・農業、先端材料、その他市場志向事業
   
これらの詳細は来年早々に発表される。
   

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DuPont は12月5日、競争力強化のためのアクションを発表した。

建設業界と自動車業界の不振、消費者の消費の減少の結果、サプライチェーンでの在庫の縮小で、需要の減少が予想されるとし、コスト削減、投資の縮小によるキャッシュフロー強化のための積極的な行動を取るとしている。

リストラ計画として、主として欧米の自動車、建築業界の事業でおよそ2500人を削減する。将来の競争力強化のため、資産の合理化も行なう。リストラのため第4四半期に税引前で5億ドルの費用を計上する。

これらの処理で2009年に税引前で130百万ドル(年率では250百万ドル)の利益を生むと期待している。

また、年初に始めた生産性計画(2009年に6億ドルの固定費減、10億ドルの運転資金減)を早める。
計画では年末までに4000人の下請けを減らし、2009年には更に減らす。<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>

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化学業界では全世界で減産が行なわれており、BASFも11月19日に、世界の80 程度のプラントを停止し、更に100 程度のプラントで減産すると発表している。   

2008/11/24 BASF、全世界で減産 

SABICもSABIC Europe が減産に入ったことを明らかにした。(詳細は不明)
但し、サウジでは自前の安い原料のため、フル稼働を続けている。


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