Huntsmanは12月15日、Hexion Specialty Chemicals との合併契約を破棄したと発表した。
Hexion と親会社のApollo Managementは解決金として10億ドルを支払う。
Apollo は Huntsman に250百万ドルを投資(10年の転換社債)
Hexionは違約金325百万ドルを支払う。(買収資金を約束したCredit Suisse Group と Deutsche Bank が融資)
残り425百万ドルはApolloが支払うが、Huntsmanが銀行から賠償金を取れれば、一部は返却される。
Apolloの支払いの一部は保険でカバーされる。別途、Apollo の関係会社がHexionの親会社Hexion LLC に2億ドルを投資する。Hexionはこれを一般の事業に使用する。
2007年7月、Hexion Specialty Chemicals (投資会社Apollo Management の100%子会社)が、借入金込みで106億ドルで Huntsman を買収する契約を締結した。BasellによるHuntsman買収契約を破棄しての契約締結であった。
しかし、これはバブル絶頂期の取引で、その後ハンツマンの株価は大幅に下がった。
このためHexionは本年6月、この買収契約が実行不能であると宣言する訴えを裁判所に提出した。損害賠償や違約金の義務がないという決定を求めた。
しかし、裁判でHexionは敗訴、このため同社は合併に踏み切ったが、合併資金の融資を約束した銀行がこれを拒否しており、実現が困難になっている。
2008/10/30 Hexion とHuntsman、合併合意、銀行は融資拒否
このため、両社は10億ドルの和解金で契約を破棄することとしたもの。
Huntsman は当初、Hexion に対して30億ドルの損害賠償(+懲罰賠償、弁護士費用、金利)を求めていた。
今回、Huntsman と Apollo のトップ同士の会談で決着した。
なお、Huntsman は銀行との裁判は継続する。
Huntsmanは9月30日、買収資金を供給する契約を結んでいたCredit Suisse とDeutsche Bank を訴えた。
両行が Apollo と組んで、Huntsmanがその前にBasell と締結した買収契約を邪魔し、更にHexion との間の買収契約も邪魔して、自らの利益のためにHuntsman の権利を侵害したというもの。
裁判は来年5月11日に予定されており、今回の和解のなかに、Apolloがこの裁判でHuntsmanに協力するという項目が入っている。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
HEXIONの切り売りをAPOLOは検討しないのでしょうか?また、HEXIOの企業価値はどの程度の金額になるのでしょうか?何か情報ありましたらアドバイス下さい。
今回の金融危機で、Apolloも他の投資会社と同様に、大変なようです。また、投資先もかなり傷んでいるようです。
Apollo faces a challenging 2009. It is struggling with the performance of several of its portfolio companies and poorly performing debt-market investments.
しかし、記事に追加しましたが、今のところは、Hexion に対しては関連会社を含めてバックアップ体制を取っています。
今後の情勢如何では切り売りの可能性もあるでしょう。
企業価値については情報を持っていません。