OPECは12月17日、アルジェリアのOranで臨時総会を開き、過去最大級となる日量220 万バレルを来年1月1日から減産することで合意した。
OPECは11月から150万バレルの減産を実施。9月にも52万バレルの実質減産を発表しており、累計の減産量は420万バレルとOPEC非加盟国も含めた世界全体の生産量の約5%に達する。
OPEC発表では「11カ国の9月の生産量 2,904.5万バレルから420万バレルカット」のみとなっている。
しかし、海外を含め各紙が「9,11月に200万バレル、今回220万バレル」としており、会見で説明したと思われる。
9月の生産量 2,904.5万バレルからの420万バレルカットで、生産目標は2,484.5万バレルとなる。なお、OPEC生産枠推移は以下の通り(Iraq を除く)で、11月末の生産枠から220万バレルを引くと2,510万バレルとなり、上記と差がある。 (今回の総会の決議は2009年1月17日に発表される)
2007/2 2007/11 2008/1 2008/9 2008/11 増減 Algeria 794 1,357 1,357 1,357 1,286 -71 Indonesia 1,370 865 865 離 脱 Iran 3,788 3,817 3,817 3,817 3,618 -199 Kuwait 2,065 2,531 2,531 2,531 2,399 -132 Libya 1,371 1,712 1,712 1,712 1,623 -89 Nigeria 2,123 2,163 2,163 2,163 2,050 -113 Qatar 663 828 828 828 785 -43 Saudi 8,399 8,943 8,943 8,943 8,477 -466 UAE 2,257 2,567 2,567 2,567 2,433 -134 Venezuela 2,970 2,470 2,470 2,470 2,341 -129 Angola ー ー 1,900 1,900 1,801 -99 Equador ー ー 520 520 493 -27 Total 25,800 27,253 29,673 28,808 27,300 -1,500 (増減) (-500) (1,450) 〔2,420〕 〔-865〕 (-1,500) 注 2008年9月総会では枠は据え置き(インドネシア離脱での減のみ)で、
日量約52万バレルの実質的な減産を決めた。
臨時総会に参加したロシアは、日量32万バレルの協調減産に応じる用意があると表明。アゼルバイジャンも30万バレル前後の減産を示唆した。
世界の原油生産に占めるOPECの割合は約43%。約13%のロシアと合わせるとシェアは55%を超える。
サウジアラビアのアブドラ国王は11月末、原油価格は75ドル/バレルが適正だと述べていた。
次回の通常総会は2009年3月15日にウイーンで開催される。
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しかしながら、17日のニューヨーク原油先物市場でWTI原油の終値は前日比3.54ドル下落し、40.06ドル/バレルとなった。
OPECやロシアの減産発表はあったが、下落基調を支えられなかった。
一時は39.88ドルまで下落し、期近物として2004年7月以来の安値を付けた。
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