ダウとクウェートのPIC、石油化学合弁契約締結

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ダウとクウェート石油子会社PICは12月1日、合弁会社設立契約と付随契約に調印したと発表した。

両社は昨年12月に計画を発表している。

2007/12/19 ダウとPIC のグローバル石化JV 詳報

設立する合弁会社はK-Dow Petrochemicals で、出資比率は50:50。2009年1月1日に営業を開始する。
ダウの既存事業を移し、ポリエチレン、エチレンアミン、エタノールアミン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを製造販売し、ポリプロピレンの技術ライセンス、関連触媒の販売を行なう。

新会社は今後の中国、ベトナム、インドなどでの新計画でクウェートの安い石油を、また、クウェート、エジプト、リビヤ、ロシアなどで天然ガスベースのエタンを利用する。

事業価値は当初190億ドルと評価していたが、情勢の悪化を受け、174億ドル(運転資金等を含む)に引き下げた。

新会社は設立後に、両社に15億ドルずつの特別配当を支払う。

PICは新会社参加で75億ドルを支払い、配当15億ドルを受け取るため、ネットで60億ドルの支払いとなる。
ダウは事業売却額マイナス出資で75億ドル、配当15億ドルで、合計90億ドルを受け取る。
税引後では70億ドルとなる。

新会社は借入金33億ドルでスタートする。

ダウとPICは2004年に2つの50/50JV、MEGlobal(エチレングリコールの製造販売)、Equipolymers(PETレジン製造販売)を設立しているが、これらは新会社に移される。

新会社の予想売上高は110億ドルで、MEGlobal とEquipolymers の売上高を加えると、150億ドルとなる。

新会社設立については、既に米国とEUの独禁法当局、米国の対米海外投資委員会の承認を得ている。
Kuwait 政府のSupreme Petroleum Council
もこれを承認している。

ダウのAndrew N. Liveris は、これはダウを収益力ある成長企業に変身させる大きな一歩とした。基礎化学品事業をJVを通じて成長させる戦略(Asset light strategy)の大きな一歩であり、投資額を減額し、税引前90億ドルの収入を得て機能化学事業に投資を回すことが出来ると述べた。
2009年初めにはRohm and Haas
買収を完了し、次の一歩に踏み出す。

実際にはダウは今回の収入を、Rohm and Haas 買収(153億ドル)に伴う130億ドルの借入金の返済に充てる。

なお、ダウは最近の需要減退を受け、年末までにリストラ計画を発表するとしている。


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