中国の独禁法、初の海外での合併ケース

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中国の反壟断法(独占禁止法)は本年81日施行された。

2008/8/4 中国、独占禁止法施行

独禁法では国内の競争を制限する独占は、国外での合併でも規制の対象となる。
買収や統合にかかわる企業の売上額が「経営者統合の申請基準に関する国務院規定」で示された一定の基準を超えていた場合、法第21条により、申告をする必要がある。

BHP Billiton Rio Tinto 合併に関して、7月初めに商務部に申請を行なっている。

これに対して日本の公取委は8月以来、領事送達や郵送による書類の送付で報告命令を出しているが、BHP Billton は受領を拒否していた。

このため公取委は9月に公示送達の手続を採ることとしたが、1114日になって、ようやくBHP から資料を受け取った。(提出がない場合は罰金などの処分を科す可能性もあった。)

BHP Billiton 1125日、買収断念を発表、独禁法問題も終息する。

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本年6月にベルギーのビール会社 InBev Budweiser で知られる世界3位のAnheuser Busch に買収を提案した。

InBev 2004年にベルギーのInterbrew とブラジルのAmBev が合併してできた。
2007年売上高は144億ユーロ。

Anheuser Busch は米市場で48.5%のシェアを持ち、中国の青島ビールにも出資している。
2007年売上高は167億ドル。

InBev は1118、買収完了を発表した。買収総額は520億ドルであった。
InBev は同日付で社名をAnheuser-Busch InBev
と改称した。
年間売上高は約
360億ドルに達する。

10月27日、中国商務部は InBevによるAnheuser Busch 買収の反壟断法による申告を受理した。

商務部は11月18日、これを以下の条件付きで許可する通告を出した。

 (1)青島ビールに対するAnheuserの株式保有率27%を増加してはならない。

 (2)
InBev の主要株主もしくは主要株主の株主に変化が発生した場合には、ただちに商務部に通告すること。

 (3)珠江ビールに対する
InBevの株式保有率28.56%を増加してはならない。

 (4)華潤雪花ビールと北京燕京ビールの株式保有を求めてはならない。
     華潤雪花は華潤創業と米
Miller の合弁会社で中国販売量ナンバーワンビール(シェア15%)

 (5)上述の条件に反する業務を求める場合、商務部が認可するまで実施してはならない。

中国には多くの海外ビールメーカーが進出していることもあるが、かなり厳しい制限である。
今後のケースのモデルになると思われる。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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