米国の石油会社 Sunoco は12月15日にアナリスト説明会を開催したが、その中で、能力で北米3位のPP、北米1位のフェノールを含む化学品部門の売却を考えていることを明らかにした。
化学品部門についての説明は以下の通り。
・利益は計上しているが、投資に見合った目標利益率は達成していない。
・世界経済の悪化で今後の市場見通しは明るくない。
・事業売却を積極的に進めていく。リーズナブルな価額で売却できれば実行する。
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同社は1886年に設立され、その後買収を通じ、事業を拡大してきた。
化学品部門:
2001年に三菱商事からAristech Chemical を買収した。
Aristech Chemical は化学品(フェノール、アセトン他)、ポリマー製品(ポリプロピレン他)の製造販売を行っていた。
1989年にHuntsmanがAristech の買収を計画した。Aristech はこれを拒否、一時は住友化学にもPPを分離してJVにする 提案もしたが、1990年に三菱商事が買収提案を行い、Huntsmanが買収を諦めたため、三菱商事による買収が確定した。買収額は850百万$だが借入金の 引継ぎなどをいれると10億$以上となるといわれた。
当初同社には三菱化成、三菱油化、三菱瓦斯化学、三菱レ-ヨンが各4.48%出資して三菱グループ総力を挙げて取り組む姿勢を見せたが、その後、 三菱商事100%となった。
三菱商事は石油化学品事業の戦略において、北米の橋頭堡として位置づけてきたが、原料価格の上昇を製品価格に転化しきれず、採算が 大幅に悪化し、売却した。
2003年にEquistar (Lyondell 子会社)からBayport の18万トンのPP設備を買収した。同立地のLDPEはEquistar に残したが、操業はSunoco が受託する。
PP原料のプロピレンはEquistar が長期契約で供給する。
2004年に無水フタル酸、オキソ、エステル、2-エチルヘキサノールなどの可塑剤事業をBASFに売却した。
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現在の化学品事業の内容は以下の通り。
能力 Polypropylene 1,150千トン Phenol 930千トン Acetone 580千トン BPA 98千トン Nonene 73千トン Alpha-methylstyrene 55千トン Propylene Tetramer 41千トン Orthoxylene 27千トン Toluene / Xylene 277百万ガロン Benzene 111百万ガロン Cyclohexane 46百万ガロン
同社によれば、PPでは北米で第3位、フェノールでは第1位となっている。
北米の能力(単位:10億ポンド:同社推定) PP フェノール Lyondell 3.2 : Sunoco 1.8 ExxonMobile 2.7 Shell 1.3 Sunoco 2.5 Ineos 1.3 Total 2.5 Mount Vernon 0.7 (Sabic/Citgo/JLM) Ineos 2.3 Dow/Carbide 0.6 Formosa 1.8 Georgia Gulf 0.5 Dow 0.9 Others 0.2 Others 5.1 合計 21.0 合計 6.4
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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