DOWAホールディングスの100%子会社のDOWAエコシステムは1月20日、東南アジアの廃棄物処理会社 Modern Asia Environmental Holdings Inc.(MAEH)の全株式を投資ファンドから譲り受ける契約を締結した。
DOWAホールディングスは2006年10月に同和鉱業が持株会社制を導入して改称した。
主要事業会社は5つで、DOWAエコシステムはその一つ。
DOWAメタルマイン:貴金属銅事業、亜鉛事業、レアメタル事業、リサイクル事業
DOWAエコシステム:廃棄物の収集・運搬、減容化・無害化する中間処理、最終処理までの一貫したリサイクル事業
DOWAエレクトロニクス:半導体、電子材料、磁性材料
DOWAメタルテック:金属加工事業、めっき事業
DOWAサーモテック:熱処理加工事業、熱処理加工事業
DOWAエコシステムは、近年日本国内において最終処理施設を機軸として、廃棄物の中間処理事業→土壌浄化事業→リサイクル事業へと展開し、急速に成長してきた。
MAEH社は、2000年に米国の大手廃棄物処理会社Waste Management, Inc の海外部門の元社員が設立した会社で、東南アジア3カ国、4拠点で廃棄物処理事業を展開している。
インドネシア | PT Prasadha Pamunah Limbah Industri | 最終処理施設や廃油・廃液処理施設などを保有 廃棄物処理事業、燃料再生事業、土壌・施設浄化事業など (インドネシアで唯一、有害廃棄物の最終処理の営業許可を所有) |
タイ | Bangpoo Environmental Complex Co Ltd. | 廃棄物の焼却処理施設 (タイに2ヶ所しかない廃棄物焼却処理施設の1つ) |
Eastern Seaboard Environmental Complex Co Ltd. | 廃棄物の最終処理、廃油・廃液処理などの拠点 (タイ最終処理施設保有大手4社の1社) | |
シンガポール | Technochem Environmental Complex Pte Ltd. | 廃棄物の焼却処理、蒸留・再生などの拠点 (シンガポール有害廃棄物処理企業6社のうち1社) |
今後、同社をベースにして、現在の最終処理、焼却処理の廃棄物処理事業にとどまらず、土壌浄化事業やリサイクル事業を東南アジアで展開する。
1) 廃棄物処理事業の拡大
日系企業等をメインに廃棄物処理などの既存事業を拡大
2)土壌浄化事業の拡大
最終処理施設を機軸に土壌浄化市場を創設・拡大
3)リサイクル事業の拡大
現状の収集運搬システムや集荷拠点、保有している許認可等を活用、
プロダクションスクラップなどを中心とした貴金属リサイクル原料を回収し、リサイクルを促進、
日本・中国・東南アジアにおけるリサイクルネットワークを構築
DOWAは2003年、中国蘇州市に、産業廃棄物から貴金属をリサイクルすることを主な目的として蘇州同和資源総合利用有限公司を設立した。
4)CDM・環境コンサルティング事業の拡大
フィリピンで開始したCDM事業を東南アジアに拡大
環境コンサルティング事業も強化
2008年5月、DOWAと伊藤忠商事は、フィリピンの養豚場における糞尿処理工程にて発酵するメタンを回収・燃焼させることで、温室効果ガスを削減し、排出権を創出するCDM事業を共同推進することを決定している。
5)日本政府の環境支援プロジェクトなどとの連携
東南アジア諸国の環境改善、人材交流・育成などにも貢献
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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