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財務省は2009年度からサウジアラビアを特恵関税対象国から除外する。
特恵関税は所得水準の低い国の輸入品に通常より安い税率を課す制度で、世界銀行の統計で高所得の国に含まれないなどの基準に該当する141カ国・14地域からの輸入品が対象となっている。
サウジは直近の2006年の1人当たり所得が13,980ドルとなり、世銀の水準(約1万ドル以上)を3年連続で上回った。
2007/3 財務省告示
当該年度の前年までの3カ年の世銀統計において、同期間中連続して「高所得国」に分類されている国・地域を特恵適用除外とする。なお、このほかに、輸入品目別に適用除外とする措置(部分適用除外措置)があり、サウジアラビア産のエチレングリコールが特恵関税の部分適用除外品目となっている。(中国のソーダ灰もこれに含まれる)
過去には2000年度から韓国、台湾、シンガポールが除外されている。
また、マレーシアは、2006年7月13日の日本・マレーシア経済連携協定の発効に伴い、特恵対象国から外れた。
日本の特恵関税措置の内容は以下の通り。
農水産品 | 鉱工業産品 | |||||
対象品目 | 特定の品目を選定し、その品目に対して特恵関税を供与。約340品目 | 石油、毛皮など一部の例外品目を除き、原則としてすべての品目に特恵関税を供与。約3,200品目 | ||||
特恵税率 | 個々の品目ごとに一般の関税率より引き下げ |
| ||||
特恵停止方法 | エスケープ・クローズ方式: 国内産業に損害を与える等の場合に、政令で特恵適用を停止 |
|
このうち、プラスチック類(項名31)の最近の実績は以下の通り。(単位:千円)
2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度 (~11月) | ||||||
タイ | 4,277,195 | 3/16 | 4,034,247 | 11/16 | 4,239,067 | 1/16 | 4,681,324 | 1/16 | 6,257,512 | 11/18 |
サウジアラビア | 4,108,413 | 12/16 | 4,221,953 | 11/16 | 4,343,870 | 10/17 | 4,648,994 | 10/16 | 4,915,918 | 9/17 |
マレーシア | 2,317,071 | 2,794,074 | 824,819 | 7/13* | - | - | ||||
中国 | 1,563,117 | 2,179,648 | 3,520,153 | 4,361,159 | 3,044,468 | |||||
フィリピン | 220,322 | 232,780 | 296,235 | 241,304 | 152,194 | |||||
インド | 199,771 | 699,694 | 328,592 | 191,800 | 97,548 | |||||
ブラジル | 3,150 | 23,110 | 50,368 | 109,930 | 70,535 | |||||
インドネシア | 7,707 | 26,209 | 26,965 | 26,173 | 6,321 | |||||
ベトナム | 8,177 | 35,062 | 29,812 | 21,053 | 26,017 | |||||
ルーマニア | 40,910 | 44,245 | 33,699 | |||||||
トルコ | 210 | |||||||||
イラン | 3,173 | |||||||||
合計 | 12,746,043 | 14,294,195 | 13,693,580 | 14,281,737 | 14,570,513 | |||||
シーリング枠 | 18,468,156 | 19,022,200 | 19,592,867 | 20,180,653 | 20,786,073 | |||||
国別限度額 | 20% | 20% | 20% | 20% | 20% |
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マレーシアは、日本・マレーシア経済連携協定の発効に伴うもの。
日本の特恵関税制度は2001年度に大幅に変更された。プラスチック類では以下の通り変更された。
変更前 | 2001年度以降 | |
シーリング枠 | 毎年6%増加 | 毎年3%増加 |
国別限度額 | 全体枠の25% | 全体枠の20% |
特恵税率 | 無税 | 一般税率の20% |
このほか、国別限度の管理が日別管理から月別管理に変更された。
従来は限度枠を超えると、翌日には特恵停止の手続きがとられ2日後に停止となっていたが、月内は枠を超えてもそのままフリーとなる。
停止手続きに約半月(10営業日)かかるため、翌月中旬に停止となる。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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