Dow Chemical は2月12日、3月末現在の株主に対し、4月30日に1株当たり15セントの配当を支払うと発表した。
同社ではこれは1912年以来、390四半期目の連続配当支払いであるとしている。
しかし、これは同時に97年目で初めての減配でもある。
これまでの推移は下記の通りで、前回の配当は42セントであった。
同社は設立以来、390四半期にわたり、連続して配当したが、これまで減配は一回もなかった。
CEO Andrew Liveris はごく最近まで、これまでの連続389期減配なしの流れを止めないと明言していた。
"This CEO will not cut the dividend. We will not break that streak. Not Dow. Not on my watch" と述べていた。
しかし、1月27日にCEOは、経済情勢の悪化により、初めての減配の可能性を示唆した。
「私が減配すると言っているのではない。取締役会が決めることだ。しかし、真剣に考える必要があるオプションの一つだ」と述べた。
ダウにとっての最重要なポイントは投資適格の格付けを維持することで、そのためにはあらゆることを実施するとした。
過去6ヶ月で株価は60%下がり1株13ドル近辺で、年間168セント(42セントx4)の配当は利回りで13%と非常に高い水準である。このため減配しないことに対し、アナリストの間で疑問視する声が出ていた。
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今回の減配の発表に当たり、同社取締役会は、金融市場の混乱、化学製品需要の前例のない低迷、グローバルな景気後退、ペンディングとなっているR&H合併問題等の要素の複合を減配理由として挙げている。
同社は2月初めに2008年第4四半期及び年間の決算を発表した。
純損益で第4四半期は15.5億ドルの赤字(前年同期は4.7億ドルの黒字)、年間では5.8億ドルの黒字(前年は28.9億ドルの黒字)となっている。
第4四半期には、リストラ関連、ノレン代減損、K-DOW関連費用、R&H買収関連費用などで税引後9.8億ドルの特別損失を含んでいる。
今回の減配で、年間にして約10億ドルの節約となる。(940百万株)
Andrew Liveris は2月3日のアナリストとの電話会議で、同社のチームが投資銀行と組んで、Dow AgroSciences を含む12の大きな事業・設備の潜在的な買い手を評価する仕事をしていると述べた。
「売りたくはないが、現金が必要で、全てのオプションが検討される」としている。
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SECへの報告では、ダウはPICとのJV取り止めに関する争いを2月18日に調停に持ち込んだ。
裁判で争う意向と伝えられたが、訴訟は行っていない。
Kuwait側の報復を恐れたもので、PICとの他の4つのJVや、 R&H買収資金の一部として予定しているKuwait Investment Authority からの10億ドルの資金に影響するのを懸念している。
R&H との争いについては3月9日からの裁判の日程が既に決まっている。
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