中国五鉱集団、豪州OZ Minerals を買収

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豪州3位の鉱業会社で世界2位の亜鉛メーカーのOZ Minerals と、中国の国有企業五鉱集団(Minmetals)の子会社の五鉱有色金属Minmetals Non-ferrous Metals)は2月16日、Minmetals OZ Minerals 1株82.5豪セントで全株式を取得する実現案契約を締結したと発表した。

今回の契約の内容は以下の通り。

・1株82.5豪セントで、総額 26億豪ドルとなる。(1豪ドルは約60円)
・この価格は昨年11月27日の最後の取引(現在取引中止)の株価終値に比して50%増し。
・OZの負債は
Minmetalsが引き受ける。
・OZの本社は今後も豪州に置く。

OZ Minerals は2008年に豪州のOxiana Ltd. とZinifex Ltd. の合併で設立された。

現在活動又は計画中のプロジェクトは以下の通り。

  • Century 鉱山(Queensland):世界第二の露天掘りの亜鉛鉱山(年間50万トンの亜鉛を生産)
  • Sepon 銅山(Laos):年間65千トンの銅を生産、合わせて金も採掘 
  • Golden Grove 地下鉱山(Western Australia):亜鉛、銅、レアメタルを生産
  • Rosebery 鉱山(Tasmania 島):地下の多金属鉱床で、1936から採掘し、ライフを2030年まで延長
  • Prominent Hill 銅/金プロジェクト(South Australia):2009初めに生産開始
  • その他、豪州、アジア、北米で開発計画やJV 

OZ Minerals の2008年の生産量は以下の通り。

  銅(t) 亜鉛(t) 鉛(t) 金(oz) 銀(oz) ニッケル(t)
Sepon  64,075       93,072    55,942  
Golden Grove  18,467  139,900  13,330   47,755   3,157,837  
Rosebery   2,062   84,939  28,674   30,675   2,984,502  
Century    513,571  56,387     4,178,964  
Avebury             2,069
Total  84,604  738,410  98,391  171,502  10,377,245   2,069

注 OZ Mineralsは2008年12月、ニッケル価格の下落を理由にタスマニア州のAveburyニッケル鉱山の操業停止を発表。

OZ Minerals は財政危機にあり、5億6万USドルの債務について、昨年12月末の返済期限を銀行団から2か月間の期間延長を得ている。
株式も昨年11月27日を最後に取引停止となっている。

Prominent Hil の100%売却を含む資産売却など一連の条件を受け入れることが期限延期の条件であった。

豪州の資源関連会社は軒並み、資源価格の下落と世界金融危機の影響での需要減少で苦しんでいる。
12月の銅価格はトンあたり2,900ドルで、2007年10月の4,500米ドル、2008年初旬の8,500ドルから暴落している。

OZ Mineralsは、Prominent Hill 鉱山とラオスのSepon 鉱山を除く全鉱山で操業の見直しを行っている。
Century鉛・亜鉛鉱山で135名の解雇を発表した。

豪州では石炭でも需要の減少で影響が出ており、原料炭生産を半減したり、解雇したりしている。

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五鉱集団(Minmetals)は国有資産監督管理委員会が管理する中央政府直属の国有企業で、当初は鉄鋼輸入が中心であったが、その後非鉄金属の輸出入、貨物輸送、不動産、建築及び土木の工事請負等に参入している。

傘下に五鉱有色金属を持ち、国内の国有非鉄製錬企業に対し長期安定した原料確保が出来るよう中国政府の施策を間接的に実施している。

五鉱有色金属は2001年に五鉱集団が上海工業投資(集団)、金誠江成源製錬所、宜興新威集団、中国食糧油食品輸出入(集団)、自貢硬質合金有限と共同で設立した。五鉱集団が80%を出資する。

ポーランドの銅採掘・精錬メーカーのKGHM Polska Miedz と戦略的提携をしており、中国最大の銅の輸入者となっている。また世界最大の銅の生産会社のCODELCOとの50/50JVでチリで銅の開発を行い、最近では Jiangxi Copper(江西省)と組んでNorthern Peru Copper 60%の権益を取得している。

このほか、五鉱有色金属はアルミ事業では広西チワン自治区のHuayin Aluminium (アルミナ年産160万トン)に投資、 Alcoa から年間40万トン、30年間のアルミナ引取契約を締結、ジャマイカではボーキサイトの採掘権を得ている。

更に江西省のタングステンの採掘・精錬会社に投資している。

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これとは別に、New South Wales の亜鉛や鉛の採掘業者のPerilya中国の中金嶺南有色金属 (Shenzhen Zhongjin Lingnan Nonfemet ) から50.1%の出資を受けた。

昨年12月に契約を締結、本年2月9日に払い込みが行われたもので、新株を発行し、45.5百万豪ドルを得た。株価平均に61%のプレミアムを載せたもの。

この資金でコモディティ価格が下落している中で生き抜くとともに、今後の成長にも使うとしている。

両社は今後も銅や亜鉛の引き取りについて友好的に話し合って行くとしている。

なお、豪州の亜鉛・鉛・銀のメーカーで、東邦亜鉛が25.5%出資するCBH Resources Perilya に対し買収提案を行っており、Perilya の取締役会は株主に対し、これに応じないよう伝えている。

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2月12日には中国アルミがRio Tintoに出資、鉱山利権を取得することが発表された。

中国勢による豪州進出が続いている。


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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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