塩化ビニル管及び同継手で排除措置命令及び課徴金納付命令

| コメント(0)

公正取引委員会は2月18日、塩化ビニル管及び同継手の製造販売業者に対し、排除措置命令及び課徴金納付命令を出した。

  事業者名 排除措置
命令
課徴金
納付命令
積水化学工業  ○   79億6532万円
三菱樹脂  ○   37億2137万円
クボタシーアイ  -     -
アロン化成  -     -
クボタ  -     -
シーアイ化成  -     -
合 計  2社  116億8669万円

クボタ及びシーアイ化成は、2005年4月1日、共同新設分割により設立したクボタシーアイに対し、塩化ビニル管等の製造販売に係る事業を承継させ、以後、同事業を営んでいない。

クボタシーアイとクボタ、シーアイ化成の3社は違反行為を自主申告した。

なお、公取委は本件での刑事告発を断念している。

2007/7/16 塩ビ管カルテル調査

2008/5/8  公取委、塩ビ管のカルテル疑惑 刑事告発を断念 

アロン化成については、排除措置命令書によると、当初値上げの談合に加わっていたが、シェア拡大の動きをみせたことから他社が不信感を抱き、同社を会合に出席させないことを決定、以後同社は値上げの合意に参加していない。

課徴金については、2006年1月の独禁法改正で、売上高の6%が10%に引き上げられ、10年以内に違反があった場合は再度の違反として15%に加算された。

積水化学、三菱樹脂ともに2007年のガス用PE管・継手カルテルで課徴金を課せられており、再犯となるため、2006年1月以降の売上高に対しては15%(それまでの分は6%)の算定率が適用された。

積水化学の課徴金 79億6532万円は過去最高。

過去の高額課徴金

クボタ     70億7208万円   1999/12 水道管カルテル(審判中)
三菱重工業    64億9613万円   2007/3   ごみ焼却炉建設工事談合(審判中)
JFEエンジ    57億3251万円               同上
川崎重工業    51億6558万円              同上
日立造船    49億0102万円              同上
タクマ     47億0265万円              同上

 

積水化学は2009年1月30日発表の第3四半期決算において、公正取引委員会の命令案による課徴金支払見込額 80億円を課徴金引当金繰入額として特別損失に計上している。

同社は以下の発表を行った。

積水化学グループではこのたびの事態を厳粛に受け止め、コンプライアンス体制の強化をはじめ、再発防止に向けて、役員、従業員一丸となって取り組んでおります。

三菱樹脂は以下の通り、発表した。

上記命令を受けたことを厳粛に受け止めております。
当社といたしましては、改めて当該命令の内容を精査し、審判手続の開始請求を含め、今後の対応を決定する予定です。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

コメントする

月別 アーカイブ