ブラジルのPetrobras は2月19日、中国との間で2つの覚書を締結した。
両国間で経済開発と取引を推し進めるもので、合わせて両国の調整のもとで戦略的協力関係を進める。
ひとつは中国開発銀行とSinopecと締結した。
・中国側が、Petrobras から購入する石油代金で相殺するというオプションで、Petrobras に資金100億ドルを供与
・Petrobras の中国向け輸出増加
・Petrobras と中国企業の間で石油関連でのプロジェクトでパートナーシップ
・Petrobras に対するサービス、物品、設備供与の可能性
Petrobras は同時に、Sinopecの子会社 Unipec Asia との間で日量6万~10万バレルの石油の販売契約を締結した。
もう一つはペトロチャイナと締結した。
・Petrobras から中国向けに、日量4万~6万バレルの石油の輸出
これらの詳細は5月のブラジル大統領訪中までの間に詰められる。
Petrobras は主に深海の油田、ガス田開発のために2009年から2013年までの5年間で1,740億ドルを投じると発表、多額の資金を必要としている。
2009/1/31 Petrobras、新油田開発で大規模投資計画を発表
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米紙は、中国は百万長者のWarren Buffet の処世訓「他人が欲を出しているときは慎重に、他人が慎重なときには貪欲に」に従っているようだと皮肉っている。
中国は2月17日にはロシアとの間でエネルギー契約を締結した。
国営石油会社Rosneft に150億ドル、パイプライン会社 Transneft に100億ドルの合計250億ドルを供与し、見返りに20年間にわたり日量30万バレルの石油を購入する。
中ロ間の現行の石油輸出契約は2010年に期限が切れる。中国の温家宝首相は昨年10月に訪ロした際、プーチン首相らと会談し、新たな長期契約を目指して交渉した。しかし、価格面で折り合いがつかず、交渉は難航していた。
今回はブラジルに資金を供与し、原油を手に入れようとしている。
中国はこれまでもベネズエラ、ボリビアやアフリカなどに投資、見返りに原油や天然ガスを手に入れている。
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