Chemtura は3月18日、米国の事業に関して Chapter 11 の申請を行ったと発表した。
米国以外の事業は通常の営業を行う。
また、民事再生計画認可までの間の倒産を防ぐため、4億ドルのDIPファイナンスのアレンジをしたことを明らかにした。
DIP(Debtor In Possession:占有継続債務者)ファイナンスは一時的な運転資金の手当てのこと。
注文が激減し、資金繰りがつかなくなったもの。
同社はNew York Stock Exchange に上場しているが、株価終値が30日連続して1ドルを切ったため、2月17日にNYSEから上場基準に触れるとの警告を受けている。6ヶ月で改善されない場合、上場中止となる。
Chemtura は2005年にCrompton とGreat Lakes Chemical が合併して設立された会社で、樹脂添加剤では世界最大のメーカー。ほかに農薬、石油添加剤、ウレタンポリマー等を生産している。農薬は旧Uniroyal の事業。
Crompton は1999年に Crompton & Knowles と塩ビ添加剤メーカーのWitco が合併して出来た会社。
Crompton & Knowlesは Uniroyalの事業を買収している。
Great Lakes Chemical は水処理剤、家庭用クリーナー、難燃剤、安定剤等のメーカー。2006/11/14 合成ゴム会社 Lion Copolymer, LLC
同社の業績は以下の通り(単位:百万ドル)
2008 2007 増減 Net sales 3,546 3,747 -201 Operating (loss) profit * -929 59 -988 Net loss -1,020 -3 -1,017 2008年のlossには、老朽資産の減損 -986 を含む。
売上高内訳
2008 2007 増減 Polymer Additives 1,580 1,806 -226 Performance Specialties 999 911 88 Consumer Products 516 567 -51 Crop Protection 394 352 42 Other 57 111 -54 Total Net Sales 3,546 3,747 -201
同社は2007年末に、事業の売却も含めた戦略を検討すると発表した。
2008年5月にはBlackstone Group LP とApollo Management LP が同社の買収について同社と協議していることが明らかにされた。
しかし、同社は2008年6月末に、事業売却、合併、事業統合等を検討した結果、現状のままで運営し、成長と効率を考えるのが株主の利益になるとの結論に達したと発表している。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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