中国海洋石油(CNOOC)が広東省恵州市大亜湾で建設していた製油所が試運転を開始した。
CNOOCとしては最初の製油所で、総投資額170億人民元、能力は年12百万トン(日量25万バレル)で、原油はCNOOCの渤海湾の蓬莱油田(Penglai offshore field )から持ち込む。
2004年に政府から認可を取り、2005年12月に建設を開始した。当初は2008年上半期に操業開始の予定であったが、経済情勢から延期されていた。
CNOOCによると、正常操業に入るのに1ヵ月半程度かかる。また、市場の情勢がよくないため、正常操業後も当面は70~80%の操業を予定している。
製品は年産150万トンのナフサ、80万トンのPX、730万トンの高品質ガソリン、ディーゼル、灯油で、ナフサは隣接する中海シェル石油化学に送られ、他は広東省で販売される。
中海シェル石油化学のエチレン能力は年80万トンで、CNOOCの製油所からのナフサが供給されるまでの間はイランやカタールから輸入のコンデンセートを原料としていた。
(なお、中海シェル石油化学のエチレンは110万トンへの増設の認可を得ており、2010年に完成の予定)
CNOOCでは2011年までに製油所の能力を12百万トンから20百万トンに増強する考えで、現在FSを行っている。また、新しく年産100万トンのエチレン建設も考えているとされるが、中海シェル石油化学との関係など、今のところはっきりしていない。
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CNOOCはペトロチャイナ、シノペックに次ぐ第三の国営石油・天然ガス企業グループで、石油および天然ガスの探査、採掘、開発が事業の中心である。
中国は第2次オイルショック後の原油価格高騰のため、自国領海付近の大陸棚での海上油田開発に期待をかけていたが、外資に対し海上油田開発を開放した。
この際、 海外企業のパートナーとして共同で開発を行い、海上石油採掘事業に関する中国側の責任を負うためにCNOOCが設立された。
こうした経緯から、CNOOCは中国沖合での石油資源開発に関して独占的な地位を得ていたが、最近ペトロチャイナとシノペックが参入する許可を政府から得ている。組織としては、国営石油会社である中国海洋石油総公司(CNOOC)と、その子会社でニューヨークと香港に上場する中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)がある。
前者は後者に対し、70.6%を保有している。中国国内の主な生産地は渤海沿岸、Eastern South China Sea(珠江河口沖合)、Western South China Sea(海南島周辺)となっている。
2005年6月、CNOOCはアメリカの石油会社Unocal 買収を図ったが、米国議会が米国の安全を損なうとして反対したため、諦めた。
同社はEast China Sea の日中中間線付近にある春暁ガス田(日本名:白樺ガス田)の開発を行っている。
2008/6/20 日中、ガス田開発合意
同社の開発実績は次の通り。
2008年3Q時点の生産量
Crude
Oil (b/d)Natural
Gas
(mmcf/d)Bohai Bay 224,280 75 Western South China Sea 67,315 305 Eastern South China Sea 115,158 25 East China Sea 960 18 Overseas インドネシアほか 23,016 255 Total 430,729 679 Total boe/d (原油換算) 549,589
CNOOCは石油精製、石油化学進出を目指し、シェルと大亜湾での石油精製・石油化学JVを計画したが、当初NDRCは石油化学計画だけを認可した。このためShell が50%、CNOOCほかが50%の中海シェル石油化学を設立し、エチレンコンプレックスの建設を行った。
2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2
その後、NDRCは製油所についても認可したが、諸般の事情でシェルはこれに参加せず、CNOOCの単独事業となった。
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