中国で食品安全法が成立

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中国の全国人民代表大会(国会)常務委員会は2月28日、「食の安全」確保に向けた新たな食品安全法を4日間の議論ののちに165人のうち158人の賛成で可決した。

国務院に食品安全委員会を新設し、「生産ラインから食卓まで」の食品安全管理を強化する。監視・監督を強め、安全基準を強化し、不良品のリコール、違反者の厳重な罰則を決めている。

同法は2009年6月1日に施行する。

衛生部、農業部、国家品質監督検験検疫総局、工商行政管理局が、リスク評価、安全基準の設定・実施、食品の生産流通のモニターなどを分担して責任を持つ。

食品生産にあたり、承認された添加剤以外の全ての化学品や物質の使用を禁止している。「食品生産に必要で安全と認められてモノのみが食品添加物としてリストされる」

衛生部は食品添加物の評価、承認、規制に責任を持つ。

食品生産者は使用を承認された食品添加物のみを使用し、違反した場合、法に基づき閉鎖やライセンス取り上げがなされる。

食用農産品の製造者は農薬、肥料、成長剤、動物用医薬品、飼料、飼料添加物の使用に際し、食品安全基準に従うことが義務付けられる。また、農業・飼育の記録付けが義務付けられる。

違反者には最大で販売した製品の価格の10倍までの罰金が課せられる。企業が不良食品を製造販売した場合、消費者は直接被害の補償に加え、価格の10倍までの補償を要求できる。

消費者権利の保護のため、食品安全監視組織や食品業界団体、消費者団体が食品の宣伝をすることが禁止される。
芸能人やスポーツ選手ら有名人が出演した広告の食品に問題が発生した場合、有名人も食品メーカーの経営者とともに連帯責任を負う。

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この法律は200812月に最初に常務委員会に案が提出されて以後、数回改定され、2008年4月に案として公開され、11千件以上のコメントが出された。

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温家宝首相は3月5日の全国人民代表大会の政府活動報告で、2009年を「品質安全年」と位置づけ、中国製食品への信頼回付を進める決意を示した。

「多くの人民大衆の生命や財産が失われ、そこで得た教訓は大変大きい」とし、「重点業種における安全生産の監督・管理を更に強化し、安全にかかわる重大もしくは特大級の事故発生を断固食い止める」と表明した。

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粉ミルク汚染事件を起こした三鹿集団のその後は以下の通り。   

2009年1月22日、田文華元会長に対し、終身刑の判決があった。他の3人のトップにも5年から15年の判決があった。   

石家庄市中級人民法院は212日、民事裁定を下し、同市三鹿集団株式有限公司の破産が宣告された。   

破産した三鹿集団の資産の競売が3月4日に行われ、食品大手の北京三元食品が約89億円で落札した。

 


* 総合目次、項目別目次は
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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