シノペックとペトロチャイナ 2008年決算

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シノペックの2008年アニュアルレポートが発表された。

2008年上半期は原油価格が高騰したが、中国では石油製品価格は政府が統制している。

このため、精製部門は営業損益が大幅な赤字となった。
化学部門も赤字となっている。

参考  2008/8/29 シノペックの上期損益、過去最悪に

                                                単位:百万元
03 04 05 06 07 08
Sales 429,949 597,197 799,115 1,034,888 1,173,869 1,420,321
Operating profit   38,883   63,069   66,814     80,632     81,010 - 22,292
Net Profit   24,396   41,791   44,776     55,038     58,721    26,115

これに対して政府は補助金を出して、この赤字を補填している。

補助金は2005年から始まった。
 
 2005年:9,415百万人民元
  2006年:5,000百万人民元
  2007年:
4,900百万人民元

2008年の補助金は50,300百万人民元の多額となった。
 (うち、精製部門で40,500百万人民元、販売部門で 9,800百万人民元) 

営業損益内訳 百万人民元
03 04 05 06 07 08
Exploration and production 19,160 25,614 46,871 63,182 49,111 66,839
Refining   6,073   5,943 - 3,505 -25,710 -13,666 -102,084
Marketing and distribution 11,943 14,716 10,350 30,234 33,597 28,308
Chemicals    3,543 18,721 14,296 14,458 13,416 -13,352
Others  - 1,836 - 1,925 - 1,198 - 1,532 - 1,448 -2,003
合計 38,883 63,069 66,814 80,632 81,010 -22,292
補助金    9,415   5,000   4,900 50,300
再計 38,883 63,069 76,229 85,632 85,910 28,008
(うちRefining) ( 6,073) ( 5,943) ( 5,910) (-20,710) (-8,766) (-61,584)

精製部門は補助金を入れても、まだ多額の赤字となっている。 

ーーー

これに対して、PetroChina の場合は石油開発の比重が大きく、原油価格高騰によるメリットをフルに受けている。
精製では赤字が大きいが、補助金は出ていない。

04 05 06 07 08
Sales 397,354  552,229  688,978  810,432 1,039,674
Profit from operation 152,434  193,765  199,897  200,771  159,300 
Net profit 107,646  139,642  149,397  154,311  125,946 

Chemicals は若干の赤字となった。

ーーー

両社の損益を対比すると以下の通りで、石油開発の差が全社損益に反映している。


* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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